Sekime blog~Webライターの雑記ブログ~

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これってぶり返し!? 経過良好のパニック症状が悪化したときの対処法

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パニック障がい歴が長い私ですが、調子にはやはり波があります。

それも緩やかな小波ばかりではなく、たまにはバーンとでっかい波に襲われてきました。

ええ、もうそれは巨大で真っ黒なやつに。

今回は、そんなぶり返しのお話です。

ぶり返しとは何か、その後どうなるのか、そして理由などを書いていきますね。

 

*ぶり返しとは?

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症状が戻った!

 ぶり返しとは、「一度よくなりかけていた病気・季候・事柄などが再びもとの悪い状態になる」ことです。

引用:ぶり返す(ぶりかえす)の意味 - goo国語辞書

 

パニック障がいでも、これがあります。

波に例えられることが多いかもしれません。

通常、現実を少しずつ受け入れながら服用したり休養したりしていると、徐々にではありますが、状態は改善します。

悪化の一途をたどるだけってことはないと思いますよ。

いつかは底につくので、そこを耐えればあとは浮上できます。

医師の指示に従って薬をきちんと飲み、出来るだけ健康に気を付けていれば、進みはちょーっとかもしれませんが必ず改善はするでしょう。

  • あ、よく考えたら私、この3か月発作が起きてない。
  • あ、そういえば私、この半年頓服は飲んでない。
  • ああ、そうだ私、近頃一人で外出出来てる!!

 そんな風に少しずつできることが増えていき、調子の良い日も増えていきます。

発作の恐怖から遠ざかっていることに、ある日突然気づくのですね。

私はそうでした。

体力が戻るにつれて外出の不安がなくなり、人と話をしても疲れて倒れることがなくなり、1日に予定を複数いれても不安になることがなくなってきたんですね。

そして、以前は難しかった単独での買い物にまで行けるようになったのです。

自転車で行けること・レジが混まない店であること、という条件つきではありましたが…。

 

やった、このまま行ったら私、もう外で働けるんちゃうん!( *´艸`)✨

喜びましたよね。

家事もできるようになっているし、学校行事に参加して以前のようにママ友と話せるようになってきたし、と。

 

だけど来たんです、暗黒の巨大な荒波が。

それが「ぶり返し」です。

 

ぶり返しが来るとどうなる?

ぶり返しがくると、以前よりも状態が悪化します

私の場合、パニック障がいが発症してすぐから広場恐怖はありました。

しかし、ママ友と話したり頓服を飲んだりして気を紛らわせてさえいれば、単独でもある程度行動ができていました。

人が多いところは苦手だし呼吸が苦しくなりますが、まあ耐えられなくはないという程度。

随分回復したこともあり、薬はその当時、減薬の最終段階でした。

1日に1錠飲んだら翌日は飲まず、また1錠飲んで翌日は飲まない。

2日に1回1錠摂取にまで減っており、もうあとは断薬となる状態まで来ていたのです。

 

ところがパニック障がいを発症して6年目の初夏、巨大で強烈なぶり返しに襲われました。

ある朝、急に襲われた激しい動悸。

巨大な不安感。

ざあっと音がして全身の血が足へ向かってダッシュした感じです。

全身が震え、うわあああ!と声が出ました。

一人ではいてもたってもいられず、子供が学校から帰ってくるまで布団にくるまって震えていたのを覚えています。

それ以来、単独では家の敷地内から一歩も出れなくなってしまったのです。

前より悪くなったあ!(´;ω;`)

その事実がとてもつらかったですね。

 

病院や学校、美容院や銀行など、それまでは用事があれば1人でも行けていた場所が全滅でした。

心療内科の通院もそれまでは単独でできていたのですが、ぶり返しが来た初夏を境に、夫や親の付き添いが必要に。

急激にすべてのものを刺激として受け取るようになり、窓の外に見える新緑を見ることもできなくなりました。

生命力にあふれているものは、刺激になるんですね。

気持ちが負けて見ることができません。

たとえば無理にでも窓の外へ目を向けて揺れる緑を見ると、眩暈や動悸に襲われ倒れてしまいます。

ただし、パニック障がいを発症した当時のように、体力ゼロというわけではなかったのが救いでした。

家族の付き添いと頓服があれば、一応外出して複数の予定をこなすことはできたのです。

そこは以前とは違いますね。

 

1人で行っていた日課の散歩もできなくなり、調子が悪いとお風呂にも1人では入れなくなりました。

頭や体、顔を洗っていて視界が塞がれていたり、少しのぼせ気味になってしまったりすると、途中で不安感に襲われます。

そのため、お風呂には娘に一緒に入ってもらっていました。

そうでないときは夫がお風呂場の前で待機してくれていたり。

さまざまな面で、さらなる家族の協力が必要になってしまいました。

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恐怖と不安が繰り返しやってくる

そのとき我が家の子どもらはどちらも小学生でした。

母親に外出予定があれば、自分の予定や都合を諦めて付き添ってくれるのですね。

それが、本当に申し訳なかったです。

友達と遊びたいのに、お母さんが郵便局に行かなきゃならないからって付き添いに戻ってくれるんですよ。

大丈夫だよーと言ってはくれますが、毎回辛かったですね。

さらにぶり返しによってうつ状態にもなりますので、食事は砂の味、気力がわかずに何もできなくなります。

一度良くなっていただけに、この状態が非常に堪えました。

すごい絶望感です。

押しつぶされて、呼吸もできないといった感じ。

そのためぶり返しにあったとき、あまりの絶望に負けて自殺してしまうという患者さんも多いようです。

 

ぶり返しは完治の前兆?

一部では、ぶり返しは完治の前兆だと言われています。

人間は慣れる生き物ですから、パニック障がいに慣れてしまったあと良い状態の方向へと進むと、慣れた「悪い状態」を維持しようとして起こすのではないか、とかね。

いろんな説があります。

 

実際になぜぶり返しが起こるのかの理由は研究されていますが、まだはっきりとはわかっていません

しかし、調子に波があるのは回復期にいる証拠です。

 

私の担当医は「夜明け前が一番暗いんだよ。ぶり返しは、その真っ暗なときに似ている。これを乗り越えたら、君は治るよと言ってくれました。

当時はその言葉にすがり、これが最後の苦しみだ、と思うようにしました。

大丈夫だ。

もうすぐ夜明けがくる。

今はじっと耐えよう。

いつか終わりがくるなら、それまでは耐えられるはず。

そう思っていました。

 

ぶり返しが起こったらすべきこと

これはぶり返しだと思ったら、治療レベルをスタートしたばかりの状態に戻しましょう。

まずは医者へいき、現状を報告して相談することが大切です。

強烈なぶり返しが来たあと、私はとりあえず減薬していた薬を以前の量に戻し、禁酒も再開しての一文字。

家でストレッチや筋トレ、冷え取り法、瞑想など出来ることをして、もうすぐ良くなる、もうすぐ良くなる、と唱えていました。

 

私がしている健康法は、この記事に書きました。

よろしければどうぞ。

おすすめなのは、呼吸法を学ぶこと、考え方をじっくりと観察することです。

呼吸法は、ヨガや柔道・空手などの武道をしていた方はよくわかると思います。

特にパニック障がいの人は過呼吸を起こしやすく、小さく浅い呼吸を短期間に繰り返します

これでは心身は落ち着きませんので、腹式呼吸でしっかりと息をすることから学んでください。

 

やり方は結構簡単。

まずお腹がぺたんこになるまでゆっくりと細く息を吐き、体内の息を最後まで吐ききります。

唇に吐く息の流れを感じながらするとうまくいきますよ。

完全に吐ききったら、自然に鼻から空気を入れてください。

これを繰り返す内に、不安がしずまり落ち着いてくるはずです。

 

そして自分の考え方を観察してみましょう。

人の考え方には癖があるもの。

パニック障がいを含め不安障がいをもつ方の多くは、取り越し苦労をしています

「自分が考えたアレコレはほとんど実現しないのだ」ということを認知する必要があるのです。

 

何かを不安に感じだしたらすぐさま「でも前も結局大丈夫だった。今回も大丈夫だわ」強く思い込みましょう

不安は自分で起こしているので、それを打ち消す練習をしてくださいね。

 

*家族はどうすべきか

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パニック障がいを持つ方が家族にいたら、心配だしどうすればいいかと悩むことも多いですよね。

特に良くなってきたなと感じていたときに来るぶり返しでは、「また最初からやり直し!? 」と家族も絶望を感じるでしょう。

 

患者の中にはしばらくなかった発作が頻発し、ご飯を食べなくなり、お風呂やトイレに一人で入れなくなる人もいます。

そのとき家族ができることは、寄り添いです

本人は、大都会で迷子になってしまった5歳くらいのこどもと同じ状態

不安と恐怖に押しつぶされそうになっていて、圧倒的な孤独を感じて怯えて泣いています

自分が狂っていくような感覚に囚われ、どこに行けばいいか、何をすればいいのかが分からず、一体自分はどうなってしまうのかと途方に暮れて怯えているのです。

 

隣にいて、手をさすってあげてください。

話を聞いて不安を打ち消し、水を飲ませ、一緒に呼吸をしてください。

その内に落ち着いてきます。

 

ただし、自分まで引きずられると思ったときには躊躇なく離れてくださいね。

周囲の人が共倒れになることは患者も望みません。

まずは自身の健康を守り、パニック障がいの家族を見守ってほしいなと思います。

 

*ぶり返しを耐えれば光にあふれる…はず

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夜明け前が最も暗い…

実際に大きなぶり返しを経験したあと、ぐんぐんと回復して薬も手放せた! という人もたくさんいるようです。

いろんな方が書いた、さまざまなブログがありますよ。

ぜひ探してみてください。

読めば、きっと希望がわいてきます。

私はまだ、1人で外出できるまでは回復していません。

近所の郵便局であれば自転車でいけるようになりましたが、ATMに人が並んでいたらすぐさま帰ってきます。

だけど、自宅が見える範囲であれば散歩も1人でいけるようになりましたし、冬の間は安定しており、ほぼしんどくはありません。

新緑を見れば奇麗だと感じるし、人と話しても倒れなくなりました。

ここ1年半は発作にも見舞われていませんし、睡眠の質も上がっています。

だから今、「あ、これがぶり返しか!」と苦しんでいる方は、覚えていて欲しいのです。

ぶり返しは、最後の暗闇であるってこと。

その闇は、走って振り切るだけなんです。

もちろんこの場合の「走って振り切る」は、無理をすることではありません。

何も考えずにただ息をして、今だけを見ることです。

「なぜ」とか「どうして」とか、考えても仕方ないことは無視しましょう。

ただじいっと今だけを見て時間をすごしてください。

1番やっちゃいけないことは、自ら死を選ぶこと。

今まであんなに苦労して戦い、何とか命を守ってきたのです。

抜けるまではもう少しですから、何としても生きてください。

 

人によりますが、ぶり返しが来たのだと受け入れて大人しくしていれば、1カ月ほどで気持は落ち着いてくるようです。

私はそうでした。

最初は悪化を受け入れられず、何もできなくなってしまった自分を憎みましたが、3日くらいで諦めることにしました。

自分に怒っても仕方ない。

今は耐えよう、そう考えだしてから、症状はよくなったと思います。

心療内科や精神科では、電話による相談も受け付けているはず。

潰れそうだと思ったら、担当医に電話をしましょう。

必要なら薬を飲み、自分が沼に沈まないようにしてくださいね。

 

少しでもみなさんが、不安から抜け出せますように。

 

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*2022年1月追記*

ぶり返しを経験してから4年が経ち、現在は一人での散歩ができるまで戻っています。

電車も家族の付添が必要ですが、安定剤なしで乗れるように。

亀ペースではありますが、改善してきていますよ。

いつか抜け出せると考え、つらいときはゆっくりと休んでくださいね。

 

*2023年1月追記*

現在、医師からは断薬の許可が出るまで改善しています。

相変わらず家族の付き添いをお願いしてはいますが、外食は怖くなくなり、友達と外でごはんが食べられるまでになりました。

電車にも何度かトライしています。

体は軽く、不安に押しつぶされそうになることはほぼありません。

今とてもしんどい方が、少しずつでも楽になりますように。

 

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