パニック障害を持つ人の多くは、行事やイベントごとが苦手です。
人が多いところを避ける傾向にあるため、行事がどうしても弱くなるのですね。
が、避けて通れないのが、冠婚葬祭です。
私もパニックになってから、大切な友達の結婚式が1回、夫の身内の結婚式が1回、自分の身内のお葬式が1回と法事が数回、夫の身内の法事が1回ほどありました。
結婚式はせっかく招待してくれたわけですし、私としても友達の晴れ姿はぜひ見たい。
お祝いしたい気持ちもありますし、そこで集まる久しぶりの何人かの友達と話したりもしたい。
だから何としても行きたいのですが、交通機関に乗れないのです。
ちなみに私は免許を持っていませんので、車も運転できません。
そして法事ですね。
まあ法事は葬式に比べると気軽ですが、何せ人がたくさん集まりますよね。
逃げられない、という状態になるわけで、やはり非常に気が重い。
さらにどうしようもないのが、お葬式です。
誰かが亡くなってしまったわけですから、会場には悲しみが蔓延しています。
あれ、かなり引きずられます。
そしてやはり人が一杯だし、立場にもよりますが、怖くなったからといって勝手に出入りできませんよね。
で、考えたんです。
世の中のパニック障害の人々は、皆どうにか対処しているでしょう。
だけど他の人はどう対処してるのかなって疑問に思うのではないか、と。
というわけで前置きが長くなりましたが、避けられない冠婚葬祭、パニック障害持ちで広場恐怖と外出恐怖がある私の場合です。
目次
*結婚式に参加したい!
新郎新婦が友人の場合、本当に症状がひどくて何とか無理矢理に行っても周囲に迷惑がかかるだろうなあと思えば、申し訳ないし残念ですが不参加にすることはできます。
祝電とご祝儀を送り、自宅からではありますがお祝いすることはできますよね。
ものすごーく残念ですが。
だけど、これが親戚の結婚式であれば?
不参加はなかなかできません。
むしろあまり会わない親戚よりも友達の結婚式に参加したいんですけどね…仕方ないですね。
私もパニックになってから夫の妹が結婚式を挙げ、それに参加したことがありました。
良かったね幸せになって! という気持ちと、断れない、逃げられないことによる恐怖とで式当日までが大変だったので、色々と策を練りました。
しめつけないドレスと安定剤
まずは体を締め付けず、楽な服でドレッシーなものを選びました。
凄まじい緊張でただでさえ血流が悪くなるのです。
体を締め付けなどしていれば、それが理由で恐怖がわく可能性があります。
そして出発前に安定剤を服用し、さらに予備の分を財布と服に忍ばせます。
式場で急に不安が沸き起こり、薬を飲みたいと思っても恐怖と緊張で震えて財布がうまく出せないというときのために、着ていくドレスに少し細工をして、安定剤を入れておくのですね。
ここに薬があるから大丈夫、いつでも薬を飲めるから大丈夫、と自分に暗示をかけます。
ちなみに安定剤は、水で飲む必要はありません。
すぐに効果が欲しいときなどは、舌の裏にいれて溶かしましょう。
体への吸収が早まるうえ、水も不要で服用が目立ちません。
身内や周囲にはパニックのことを告げておく
そして、周囲の方には念のため、パニック障害を持っているということをお知らせしておきます。
万が一のときには自分は急に消えるかもしれないと言っておけば、発作が起きそうになって会場から逃げてもフォローしてくれます。
むしろ言っておかないと、いきなり脱走する非常識な人になる。
さらに私の場合には、心配した実母が結婚式の会場近くで待機してくれていました。
これは私が頼んだわけではないですが、娘の義理の実家に迷惑をかけられないと母が決めたようです。
発作が起きて会場から逃げ出しても、私一人ではパニックを起こしていてわけがわからなくなっていますよね。
夫の身内の式ですから、夫や義理の両親が抜け出しては付き添えません。
子どももまだ小学生です。
なので、いざ私が抜け出してきたときに落ち着かせ、他の誰かに迷惑をかけないようにとわざわざ会場にいてくれたわけですね。有難かったです。
結果的に発作は起きず、実母は「もう大丈夫、ありがとう」という私のメールを見て、近くの博物館へ行きすてきなカフェでお茶をして帰ったようです。感謝感謝!!
家族の付き添いを打診してみる
大学時代の男の友人の結婚式の場合は、夫も友人だったこともあり、夫婦で招待してもらえないかとお願いしました。
私は一人で電車に乗れなかったのですが、当時はまだぶり返しが来ておらず、家族がいれば電車にも乗れたのです。
快く承諾してくれた新郎新婦、そして夫のお陰で、友人たちとも会って話せ、祝福することができました。
*お葬式の乗り切り方
法事は緊張もし、予期不安にも苦しめられますが、いってみれば身内ばかりですので最悪部屋から逃げることもできます。
難しいのは、お葬式です。
儀式の最中に中座するわけにはいきませんし、悲しみの雰囲気は感化されてうつ状態を引き寄せます。
まともにずっと過ごすには、どうすればいいか。
私がしたことは以下です。
安定剤と自宅の香りを用意する
安定剤は、いわずもがなですね。必須です。
医者から処方されている方は、必ず持参しましょう。
実際にのまずとも「薬があるから」と思っているだけで緊張がとれることもあります。
さらに私は、自宅の匂いがしみこんだハンドタオルを持っていきました。
あまりカラフルなものは場違いなのでそこは気を付けましたが、ハンドタオルを顔に押し付けるだけで、目を閉じれば自宅にいるかのような気持ちになれ、少しですが緊張が取れます。
ちなみに私が不安がきたとき、お守りにしているものは以下の記事でチェックしてみてください。↓↓
ひとまず号泣してみる
結婚式と違ってお葬式は、泣いても大丈夫な場です。
パニック発作が起きたとき、過呼吸になったり号泣したりと人によって違いますが、私は恐怖のあまり号泣するタイプでした。
なので葬儀場に向かう車の中で予期不安に襲われ、安定剤は飲んだけれど効果が薄かった祖母の葬式では、式場につくなりとりあえず自分で発作を起こしてみました。
車の中で身を縮めて号泣し、たまった恐怖や緊張を解放したわけです。
パニック発作のあとは疲れから虚脱タイムが来ますので、葬式の間はぼうっと座っているだけでよいようにしたのですね。
丁度葬儀なので、泣きはらした目をしていても不思議がられません。
おばあちゃんの死を悼むのは、あとで一人になったときにやる。
だから今は、周囲に迷惑をかけずこの場にいれるように、を優先しました。
*大切なのはパニックを隠さないこと
はい、こんな感じで今までは冠婚葬祭を乗り切ってきました。
冠婚葬祭は避けて通れませんよね。
それに、お祝いでもお別れでも、発作がある私たちだってちゃんとしたいのです。
まず大切なのは、周囲の人には自分の状態を正直に述べることだと思っています。
周囲にお知らせしておくことで、楽になることは多々あります。
また、無駄に心配をかけないためにもある程度、話はしておくのがおすすめです。
なかには、精神疾患に理解がない方もいるでしょう。
偏見をもたれることもあります。
だけどそんな人は無視でいいです。
根性や気力ではどうにもならないことがある、彼らはそれを知らないだけです。
必ず理解してくれる方がいますので、一人で悩む必要はありません。
そしてあまりに緊張がひどく自分でもこれは無理だな、と思ったときには、無理はせずに不参加を決めましょう。
現場で発作が起きる方が自分も辛いですし、周囲への影響も多くなります。
礼儀は離れていても通す方法があります。
残念ですがそれを実行し、安全で平和な部屋でお祝いやお別れの気持ちを持って祈りましょう。
参考になればいいな、と思います。