パニック障害になってから、私が社会とつながっていたのは、インターネットで発表していた小説で読者の方との会話だけでした。近所の馴染みの焼き鳥屋に働きにいくまでは、家族以外との会話(といっても文章ですが)はそれだけだったのです。
ちなみに、パニック障害になってからの私の仕事遍歴は、以下の記事をご覧ください。↓↓
で、インターネットを使えば、外に行かなくても働けるんじゃない?と気づいてから数年、しばらくは年20万円以内の稼ぎでおさえ、心身を治すことを優先したわけですね。
しかし、もういいんじゃない?もっとちゃんと稼いでみれば?と自分にOKを出し、フリーライターになることにしたわけです。
ここでは、「フリーライターになることを決めた方がすべきこと」を紹介します。
目次
*開業届を税務署に提出する
開業届とは、税務署に個人事業主になりますよ~、と伝える役割がある紙です。正しくは「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。
法律上は「事業の開始があった日から1か月以内に提出」なのですが、たとえば私のように既に何年もライティングをして稼いでいた、という人間も多くいるわけで、それまで提出しなかったことを怒られるわけではありません。知らなかった場合は仕方ないので、知ったときに出せばいい、という感じですね。
税務署にいけば用紙は何枚でも手に入りますし、国税庁のホームページからもダウンロードできます。あとから説明しますが、会計ソフトを出している会社でも準備できますので、自分がいいなと思った方法で手に入れましょう。 ちなみに私はfreeeという会計ソフト様でこちらを用意し、提出しました。
開業届は必須のもの?
中にはフリーランスで稼いでいても、開業届を出していない方もいるようです。しかし稼ぐようになったら当然税金は支払わなくてはなりませんので、開業届を出すのに「損も得もない」というのが本当のところ。
むしろ、下手に収入を隠すと危険ですから出しておきましょう。
損得でいうなら、「収入を隠す」よりも「税金は払うけれどできるだけ少ない金額で払う」方が得ですよね。そのためには確定申告で「青色申告」をすべきですが、青色申告をしたければ開業届は出さなくてはなりません。
同時、もしくは先に開業届→「所得税の青色申告承認申請書」を提出、これを済ませたら控除が大きい青色申告ができます。
開業届の準備その①開業日を決める
私は「よし!フリーランスになるぞ!」と決意をし、それがたまたま誕生月だったので誕生日を開業日とすることにしました。今まで届けを出さず仕事をしていたことを叱られるかとドキドキしつつ、念のために税務署に電話して質問したときに、「開業日?ああ、いつでもいいですよ~」とかる~い返事をいただきました。
その税務署員さん曰く、「1月1日とする人は多い」そうです。1月でなくても毎月1日ですね、何か区切りが良いからでしょうかね。
ただ開業届を出すだけですが、やはり人生初のフリーランスということで、お祝いしたい気持ちがあったので誕生日にしました。だけど、私はよく自分の誕生日を忘れます…。しまった―
開業届の準備その②屋号を決める
そして、次に決めなければならないのが「屋号」です。
屋号・・・個人事業が使用する商業上の名前のこと。店を持つ人なら店名など。
屋号は基本的に自由につけられますが、それで名刺などを刷ることも考えて、短めで覚えやすいもの、事業内容がわかりやすいもの、などが良いでしょうね。
私は「〇〇サービス」みたいなものでもいいかな~、ライティングだけじゃなくて将来はイラストなんかも販売するかもしれないし…とは思いましたが、最終的には「関目ライティング」に落ち着きました。
なぜ本名でなくライター名を別につけたのかについては、以下の関連記事で説明してますので良かったらどうぞ。↓↓
開業日と屋号を決めれば、あとは届用紙の内容に従って記入していきましょう。
おすすめは会計ソフトの開業届
私はさっぱり簿記がわからなかったうえ、自分でもたもたとやって手続き間違いがあり、ただの宣言である「開業届の提出」すらうまくいかないのではないか、と不安になり(何せ不安障害であるパニック患者ですしね)、会計ソフトのツールを利用することにしました。
・freee
前述しましたが、会計ソフトの「freee」には開業届作成サービスがあります。私はこちらを利用し、さくさくっと作りました。しかも、「所得税の青色申告承認申請書」も同時に作ってくれて一緒に印刷することができます!
あとは印刷物に印鑑などを押し、税務署に送るだけですのですんごい楽でした!ここでfreee様に感謝、御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました!!
*会計ソフトに登録する
勿論、すべて自分で管理可能!という方は自力でやっていくのが最も安いでしょう。しかし、確定申告は間違いがあれば訂正が非常に面倒くさいうえ、頼りの税務署は混雑して質問すら難しいし、方法さえ知っていれば戻ってくる税金を逃す可能性もあります。
というわけで、私は迷わず会計ソフトを探しました。
おすすめは、次の2つです。
・freee・・・銀行やクレジットカードと同期でき自動で入力、請求書の作成なども簡単
・弥生・・・自宅からネットで確定申告ができるe-taxに対応。白色申告は無料で使える
私の場合、開業届を提出したのが去年2019年の4月でしたし、既に1月からがっつり収入があったため、2019年分の確定申告では青色申告は使用できません。つまり、白色申告(特に控除なし)なわけですね。
ですから所得をできるだけ抑え、夫の扶養にいつつ税金をいかに支払わないで済むかを考えたわけです。
そこで利用したのが、会計ソフトです。前述したとおり、「freee」様を使って開業届と青色申告申請書を出していたので、感謝からfreeeに登録しようと考えていました。しかし結局選んだのは、同じく会計ソフトでは有名どころの「弥生」ですね。
白色申告の会計ソフトが無料で使えたこと、インストールすら不要だったこと、入力が自動で、e-taxがそのまま行えることが魅力でした。
というわけで、今年の確定申告は「弥生の白色申告オンライン」で無事に済ませ、支払いはゼロで源泉徴収分もしっかりと返ってきました。良かった良かった。
その後、今年の1月からは来年の青色申告に向けて同じく弥生にて「弥生の青色申告オンライン」に登録変更。こちらは有料ですが、青色申告では必須の簿記を代わりにやってくれるうえ、チャットで相談などもできるわけですから、年間4000円は安いと思いました(キャンペーン価格です。平常価格はベーシックプランで12,000円)。
私、まだパニック障害になる前には4年程生命保険の営業をしていたことがあってですね、その頃は自分で確定申告していました。しかしもう年調がないフリーランスですから、会計ソフトは便利かつ安全だと思います。
*クレジットカードを作っておく
もしもあなたが会社員で、これからフリーランスになろうと考えているのであれば、クレジットカードなどは会社員であるうちに作っておきましょう。やはり独立したばかりのフリーランスには、社会的信用がありません。
私は自宅療養にて専業主婦だったため、夫の威光でクレジットカードは作れます。ですから問題なかったのですが、独身だったり世帯主の男性であったりした場合、フリーランスになってからクレジットカードを新しく作るのは少々難しいのです。
やっぱり仕事用の買い物などは仕事用クレジットカードを別に作っておいた方が、そのまま会計ソフトに紐づけもでき、経費の記入が楽になります。ちょこっと覚えておいてくださいね。
*何が経費にできるかを整理しておく
私のように自宅から一歩も出ずにネットライターになる場合、電気代なども経費として落とせます。
しかし、丸々全部じゃないんですよね。だってプライベートでも使いますのでね。全部を経費計上した場合、後から税務署に突っ込まれることも(滅多にないでしょうけれど)ありますので、やはりほどほどにしておくのが良いですよ。
私の場合、以下の配分にしています。
- 電気代は全体の3割
- スマホ代は半分
- プロバイダー代は3割
- パソコン関係や消耗品は10割
昼間でも電気は使いますし、パソコンの電源が必要です。なので、電気代は3割を経費として計上しています。スマホでもクラウドサービスを利用したり仕事に使っていますので、半分ですね。スマホでゲームなどはしませんので、ほぼ仕事用といってもよいのですが、ママ友との情報交換なんかもありますから、半分にしておきました。
我が家はJ-COMを契約していてですね、インターネットはテレビと一緒に請求されます。ネットとテレビが半分づつと考え、テレビは仕事に関係ないこと、プライベートでも(小説を書いたり)ネットは使いますので、やはり3割ですね。
パソコン周辺機器や領収書・請求書の紙、名刺(を作る場合)などはすべて経費計上でしています。仕事に使うかどうか、て税務署の方はいいますけどね、難しいですよね!自宅で仕事していると、その境目が!まあ参考程度にどうぞ。
*準備をしつつモチベーションアップ!
フリーライターになる!そう決めた日から、言ってみればすでにフリーライターではあります。別に資格が必要な職業ではありませんので、自分がそうだと言えばそうなりますね。
しかし開業届を出し、青色申告申請をし、会計ソフトを決めてお金まわりのことをきちんと考えるうちに、「独立したんだなあ~」という気持ちになっていきます。準備はしっかりとして、後で慌てないようにしたいですね。今はインターネットでいろいろな情報が得られますので、簡単に調べられます。ぜひ活用してください。
開業届を出し、今日から私はフリーランス!!とワクワクした気持ちは、1年経った今でもはっきりと覚えています。私は大変嬉しかったのです。パニック障害になってしまい、寝たきりになって外に一歩も出れなかったのに、また自力でお金を稼ぎ、クライアント様たちと会話もできる、ということが。
クライアント様、税務署の人、その他仕事で話す機会がある方々は、私を病人扱いしません。当たり前ですが。腫物に触るような扱いは、有難いこともあれど、やはり悲しくつらい経験です。
そのため、開業届は私にとって「社会復帰の証拠」になったわけです。
フリーライターは経験を積むまではあまり稼げませんし、毎日が本当に勉強です。だけどせっかく決めた屋号をたくさん使いたいので(笑 頑張っていきます!
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