Sekime blog~パニック障がいのWebライター、アレコレ語る~

パニック障がいもちのフリーWebライター&イラストレーター。おすすめの商品や仕事・趣味・訪問先などについて語ります。当ブログはアフィリエイト活動や商品の提供を受けてのPRを行っています。

行動療法:ひとりで散歩を久しぶりにやってきた。

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私はパニック障がいになる前は、間違いなく仕事人間でした。

病気で単独で外へ出られなくなってから、自宅でフリーのWebライターとして社会復帰をするまでの間、仕事が何もできない、社会とのつながりがないという現実からうつ病にもなりました。

というわけで、現在はライティングのお仕事の予定がない日には、ちょっと精神不安定になります。

ここで「今日はゆっくりしよう」とか思えれば、パニック障がいもマシになるかもしれないのですが…難しいですね。

それは仕方ないことなので、久しぶりに行動療法をすることにしました。

つまり、単独での外出です。

※行動療法に関してはこちらをどうぞ

 *持っていくもの

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 以前他の記事でも書きましたが(宜しければ以下の記事をどうぞ)、私が外出時に持っていくお守りがあります。

それをすべて持ったうえで、家を出なくてはなりません。

でないとドアを開けた瞬間から体が固まり、一歩も歩けません。

  •  水
  • 抗不安剤(エチゾラム)
  • ハンドタオル
  • スマートフォン

 この4つですね。

本日もこれを持ち、なんてことないよ~と自分に言い聞かせながら、家中の窓を閉めてまわります。

外に行こうと決めた瞬間から緊張が襲うので、自分で自分をごまかす必要があるんですよね。

いやいや、外なんていかないよー、家にいるよー、と思いながら外出の準備をします。

 

*鍵を閉めたらそこは戦場

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 うつ病の人は冬に弱い(日照時間が少なく、気圧も低いため)とよく言われますが、私を含め周囲のパニック障がい経験者(たまに全国の患者さんや経験者様とラインで話します)は、冬に強い方が多いですね。

暑い空気だとパニックを起こす可能性が高いのですが、冷たい空気だと頭が冷静でいられるからでしょうか。

 

要するに、既に7月の今、私は最も苦手な暑い季節に単独で外出しようとしています。

もうドアの外は戦場です。

マジで。

温かい空気、通りぬける風、たまに顔を出す太陽の光すべてが刺激となって突き刺さります

 

*誤魔化しながら歩く

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やたらといろいろ考えて、小さな不安を巨大化させることが得意なのがパニック障がいです。

私も3年前に大きなぶり返しがきてから単独での外出が困難になりましたが、家が視界から消えた瞬間から呼吸困難に襲われていました。

今はそこまで酷くないので、自宅を凝視しながら少しずつ遠ざかり、どこまでいけば緊張が酷くなるかを自分の体を使って実験中です。

 

誤魔化して歩くといいですよ。

たとえばウォークマンで好きな音楽を聞いて考えられないようにするとか、ひたすら遠くの雲や木々などを見つめながら歩くとかですね。

家から遠ざかっていること、自分が今一人でいることをじっくりと考えてしまうと、不安が生まれ、あっという間に巨大な恐怖に変わってしまいます。

 

*やばいと思いだすときには

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「 あ、これはもうやばい。今日の外出はおしまいだ」と思うのは、ふわふわとしてきたときです。

 

他に表現のしようがないのでそのように書きますが、ふわっと頭…いや、自分が浮いているかのような気持ちになるんです。

もちろん足は地面についてますが、自分の意識が体から抜け出すような感覚ですね。

一瞬自分が自分でなくなるような状態、「乖離状態」(かいりじょうたい)です。

これと共に眩暈、動悸がしはじめます。

 

これはもうパニック発作の前兆。

こうなれば例え家族が隣を歩いていても怖いものは怖い! となり、家族の声も届かなくなります。

とにかく早くここから「逃げ」ださないと! 家に帰らないと!! と焦るのですね。

 

世界中の人が集まる都会の真ん中でいきなり迷子になってしまったような気分です。

迷子って、自分がこれからどこに行けばいいかわからない・ここがどこかもわからない・どうすればいいかもわからない、という状態ですよね。

自分が自分であるという確信しかない状態で、非常に心細くなります。

都会で迷子になると、人は多いのに知らない人ばかりで、誰も話しかけてくれない、助けてくれないという恐怖もあります。

パニック障がいを持つ人の乖離状態って、これにさらに「自分が自分ではなくなっていく感じ」がオマケについてきます。

本当、凄まじい恐怖と不安ですよ。

 

こうなってしまえば、たとえ家族が隣にいても心配して声をかけてくれていても、ひたすら孤独を感じています。

「この恐怖、焦り、不安はわからないんだろうなあ!」ということが非常に強くわかってしまうからですね。

めっちゃ孤独を感じています。

 

*自転車やコンビニを使う手もある

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 今日は、まずは自転車に乗ってほどほどの距離があるコンビニまで行ってみることにしました。

で、そこからチャリを押して歩いて帰るんです。

チャリがあれば、「嫌だったらすぐに帰ってこられる」というツールを手にしたことになり、少し遠くまで行けるんですね。

歩くより早く自宅へ「逃げ帰る」ことができる! という安心です。

そしてコンビニまで行くのは、店まで一人で行けた! 簡単な買い物が出来た(ペットボトル1本でOK)! 歩いて帰ってこれた!! という成功体験を積むため。

ほらね、だから大丈夫だってば、と自分の脳みそに上書きするために行います(現在は怖くてできないという記憶になっているので)。

 

コンビニはモノの値段はスーパーよりも高いですが、大きなスーパーと違って人が少なく、レジがすぐそこにあって買い物が短時間で済ませられます。

パニック障がいになれば、多くの方が「待つ」ということが非常に苦手になりますので、待たなくてよいという状況は非常にありがたい。

 

今日も、それをやってきました。

そして無事、コンビニまで行けて子供のおやつを手に入れ、チャリを押して歩いて帰ってきました。

ほどほどの距離があるので、その帰り道だけで2500歩ほどになります。

そして自宅に自転車と買い物袋を置いたら、自宅が見える範囲でうろうろと歩き回り、「ふわふわ」を感じたら戻る、ということをします。

 

*家族にはしっかり自慢する

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 帰ってきた家族には、どんどん自慢します。

 

「お母さん今日一人で買い物行けたで!」

「歩いて帰ってきたで!」

「歩数も5000歩頑張ったで!」

 

母親が完全に1人では外出できなくなった姿を見て、付き添いに自分の時間を削ってくれている家族は、それでとても喜んでくれます。

その姿を見て、こちらも達成感を得るということですね。

 

ただし、失敗する日もあります。

ちょっと遠くまで歩いてしまって、道一本を引き返せば家に着くということは頭ではわかっているのにパニックを起こしてしまい、恐怖と焦りで号泣したいのを何とか抑え込みながらふらふらと戻るときもあるのです。

 

そういう日は帰ってから、どーんと落ち込みますよね…。

ああ、失敗経験が積み重なってしまったって…。

しばらく再起不能になるレベルで凹みますので、行動療法をするときには体調の良い日、気圧の安定している日を選びます。

 

*「恥」を気にしなければ治ると思う

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ちなみにパニック発作を起こしているときでも、パニック障がいの患者は頭の一部では非常に冷静に状況を理解しています。

そのため自分が今周囲からどのように見えるかが分かり、余計に羞恥心からパニックを酷くさせてしまうようです。

 

あたりかまわず泣きわめけたらいいのにねえ…。

でもまあ、そんなことができるなら、そもそもパニック障がいにはならないのでしょうね。

「恥」を感じることに、恐怖を感じるようですので。

最近は、「人前で吐いちゃっても大丈夫。自分で片付けて、謝ればいい」とか、「泣いても大丈夫。変な人と思われたって別に構わない」とか、自分に言い聞かせていますよ。

言い聞かせて開き直る努力をし、発作が起きないようにしているつもりです。

 

去年の11月から、私はパニック発作を起こしていません。

でもそれは冬に入って調子が良くなったからでしょうし、今年の春はコロナ騒ぎで自宅に家族がいてくれた上、外出制限が出たので単独で散歩には行っていませんでした。

 

いやあ、久しぶりに本当に1人で外出しました。

帰ってきたら脂汗は出ていましたが、とにかく、無事でした。

良かった良かった。

 

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