パニック障がいやうつ病を持つ人は、軽めの運動や筋トレをおすすめされますよね。
これは全身の血のめぐりを良くし、太陽の光を浴びてセロトニン分泌を促すため。
他にも病気の改善には、瞑想や自己催眠などで疲れた頭をリフレッシュさせる、睡眠の質を上げて心身の修復につとめるなどがあります。
この中でパニック障がいやうつ病を持つ方に特におすすめなのが、軽い有酸素運動。
軽いといえば、ウォーキング程度ですね。
では、なぜ有酸素運動が最もおすすめなのか、ここで説明していきます。
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*パニック障がいを持つ人には有酸素運動がおすすめ!
パニック障がいについては、以下の記事で詳しく述べました。
パニック障がいは不安障がいの一種。
脳が働きすぎもしくは一部働きが阻害されるため、不安を鎮める作用がうまく働かず「小さな不安を巨大にして」発作を起こす病気です。
見た目は普通の人ですが、通常と思われる場面で急にさまざまなものに恐怖を覚え、怯えて縮こまったりうずくまったり、過呼吸を起こしたりその場から逃げ出したりします。
パニック障がいの原因はまだはっきりとわかっておらず研究が続けられていますが、古くは古代ギリシャからあったとされる、割とポピュラーな病気ですね。
現在は治療法もありますし、早期治療をすれば1年以内に寛解する方もたくさんいます。
※治療法については以下の記事をどうぞ
しかし問題は、私のように慢性化してしまい、なかなか寛解とならない人。
多くはうつ病や各種依存症を併発しており、精神疾患の治療も同時に行うため治癒に時間がかかるようです。
そんな人に自分でできることとしておすすめされるのは、以下のものですね。
・運動
・休息
・食事
・瞑想
パニック障がいの方は常にひどく緊張した状態で、小さな刺激にも過剰に反応します。
そのため心身ともに疲れ切っているのですね。
まずは、しっかりした休息を取り、ちゃんと栄養を食事から摂取することが大切。
そして、次にやるべきことは運動です。
数ある運動の中でも特におすすめなのは、有酸素運動。
それもガチのものでなく「軽め」のものがよいでしょう。
どうして有酸素運動? 筋トレではダメなの? と思う方もいますよね。
筋トレも必要なのは間違いありません。
筋肉量を増やすことは基礎代謝の向上につながるうえ、睡眠の質を良くしたり成長ホルモンの分泌を促したりと良いことが多いからです。
しかし、まず何か運動をと考えるパニック持ちの方には、有酸素運動をおすすめします。
その理由を、次で説明しますね。
*筋トレよりも有酸素運動がおすすめなわけ
そもそもなぜ運動が必要なのか?
病気をよくしたいのであればしっかりした肉体が必要です。
パニック障がいを持つ人やうつ病となってしまった方は、どうしても自宅にひきこもりがち。
特に広場恐怖を持つ人は、外出困難になることが珍しくありません。
▼広場恐怖症についてはこちらをどうぞ
しかし家で過ごす、または休息が大切だと言われてずーっとゴロゴロしていると、急激に衰えていくのが筋肉ですね。
筋肉がないと人は動けませんから、体は重くなり心はますます落ち込んで、引きこもりが悪化して寝たきりになってしまいます。
一度痩せてしまった筋肉を鍛えるのは非常な苦痛を伴いますし、気力も必要です。
そうなる前に毎日少しずつでも体を動かし、筋肉の衰えを阻止しなければなりません。
また、運動をすると「頭の中が空っぽ」になります。
子供のころ、スポーツをしているときや遊びで走っているときなど、余計なことは考えられなかったと思いませんか?
動物は体を動かしているとき、脳もそれに集中しています。
そのため、雑念や不安が忍び込む隙間がないのですね。
この頭の中を空っぽにする、ということは、パニック障がいを持つ人にとってはとても重要です。
頭が休息し、不安が生まれる余裕がなくなるということですから。
ぜひ、運動を少しずつでも始めてください。
筋トレは疲労物質がたまりやすい
筋肉を維持したり運動で頭を空っぽにするためなら、やはりよりいいのは筋トレじゃないの? と思いますよね。
私も実際、自宅で週に3日筋トレを行っています。
しかし、筋トレは瞬発的にターゲットとなる筋肉に強烈な負荷がかけて筋を断裂させ、太く大きくさせる行為。
疲労物質も急激にたまります。
この疲労物質=「乳酸」が問題なんですね。
パニック障がいの方は、健康な人に比べて疲労(乳酸)がたまりやすいと言われています。
疲労がたまれば幸福感が減り、不安感が増してきます。
不安障がいの人はうまく眠れないという睡眠障がいを持つことも多いため、たまった疲労をうまく発散できません。
さらに急激な刺激によって出た筋肉痛で余計に不安が増し、つらい休息時間となってしまいます。
そのため、筋トレよりはソフトな有酸素運動がおすすめです。
そして、ハードな有酸素運動よりは、ソフト、「軽い」有酸素運動が良いですね。
いきなり縄跳び100回やクロール500mなどに挑戦するのではなく、まずは踏み台昇降やウォーキングから始めてみましょう。
有酸素運動は酸素を取り込み筋肉を柔軟にできる
有酸素運動は、取り込んだ酸素をエネルギーにして脂肪を燃やし、筋肉を柔軟にしていきます。
通常ガチガチに凝り固まった筋肉を持つパニック障がいの方は、とにかくリラックスをして全身の筋肉の緊張を解くことが大切。
そのためには血のめぐりを良くしなければなりませんが、急激に疲労物質がたまるのは避けたい。
なので、有酸素運動です。
有酸素運動中はしっかりと酸素を吸い込みます。
パニック障がいを持つ方は不安や緊張から体が臨戦態勢で、呼吸が浅く早くなっていることが多いのですね。
しかし有酸素運動中はリズムよくしっかりと呼吸ができますから、体内で二酸化炭素が増えず不安が少なくなりますし過呼吸にもなりません。
加えて、運動による「頭空っぽ」状態が維持でき、急激な刺激を与えるわけではないので筋肉痛などの痛みも起こりません。
血のめぐりもよくなり、気分も向上してきます。
過剰じゃなく適度な疲れなので、睡眠の質も良くなるでしょう。
以下、有酸素運動のメリットをまとめます
・血流促進
・思考停止
・呼吸が深くなる
・全身の筋肉に適度な刺激
・体力向上
・適度に疲労する
・睡眠の質の向上が期待できる
・疲労物質の解消
・気分向上
私がおすすめするのは軽めの有酸素運動であるウォーキングです。
一人でも気軽にできる上、お金や設備は不要。
外で歩けば季節に敏感になり気温の変化などを肌で感じられますし、疲れたり外が怖くなったりすれば、すぐに止められます。
人間の下半身には大きな筋肉が集中しており、歩くことでそのすべてを適度に刺激できるのですね。
冷え性からくる便秘や肩凝りなどの症状が改善しますし、気分転換にもなるでしょう。
ちなみに、縄跳びもおすすめです。
縄をもって飛ぶだけなのでさほど場所を取らないうえに、縄がないエアー縄跳びでも効果抜群。
▼縄跳びについてはこちらの記事をどうぞ
軽い有酸素運動の代わりにヨガやピラティスなどもおすすめです。
ヨガやピラティスは体の柔軟性を高め、ゆっくりと筋肉を伸ばすことで血流促進も期待できます。
歩いている程度じゃ運動には集中できず、やっぱり恐怖から抜け出せないというくらいに重度の方は、まずは柔軟体操やラジオ体操を自宅の中で行ってみてください。
徐々に体力がついてきたら、少しずつ外へでて家の周囲の散歩から始めてみてくださいね。
*パニック障がいを持つ人には瞑想が難しい?
運動が大切なのはわかった、だけど瞑想もいいって聞くよね? と考える方もいるでしょう。
私もここ9年間瞑想にはチャレンジしていますし、瞑想の素晴らしい効果についても知っています。
▼私が行っている健康法については以下の記事をご覧ください。
しかしですね、実は、パニック障がいを持っている方にとって瞑想は非常に難しいものなのです。
パニック障がいレベルが軽度であればともかく、重度の方はほぼ意味がない、もしくはできない、もしくは病状をさらに悪化させてしまう恐れがあります。
理由は、雑念を消せないから。
健康な方でもそうですが、人間は通常、体を動かしていないときには頭の中は思考でいっぱいになります。
パニック障がいを持つ方は、一般的な人に比べると思考過剰なため、不安を生み出し巨大化させていきます。
つまり、200%雑念まみれなわけですね。
これを無にするのは、非常に困難。
うまくいかずにストレスがたまったり、逆に頑張りすぎて疲れ切ってしまったり、下手をすると不安を増殖させる結果となります。
瞑想は、パニックのレベルが軽度の方か、すでに瞑想をマスターしている人のみが良いそうです。
中~重度のレベルのパニック障がいの方は、動かないマインドフルネス(瞑想や座禅)よりも、動くマインドフルネス(有酸素運動や筋トレ)の方が適しています。
前述しましたが、人間は体を動かしているときには思考が停止します。
つまり、瞑想に似た状態を作り出すことができます!
脳みそは体を動かすことに一生懸命で、いらんことを考えてる暇なんかないっちゅーねん! という状態なのですね。
次から次へと過剰に考えまくり、不安に陥って発作を誘発してしまうパニック障がいを持つ方は、ぜひ運動をしましょう。
体を動かして脳みそを運動に集中させ、不安を排除していくことが、メリット大です。
せひ軽めの有酸素運動を始めてみてくださいね。
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