ライターとしてお仕事を請け負ったとき、構成から担当するものと本文だけ書けばいいものとがありますよね。
しかし私の経験では、文字単価・記事単価が大きいものほど構成から自分でやる依頼が多いように思います。
担当範囲は「構成」「本文執筆」「画像選定・挿入」「発リンク」「WP入稿」など。
キーワード選定と校閲・編集はするけれど、後は公開できるレベルの記事になるまでライターに担当させるといった依頼ですね。
つまり、最初に必要とされるものは文章の構成能力です。
建築でいえば設計図のところですよね。
どのような材料でどのように建物(文章)を組み立てるか、その力が必要です。
しかし、これって学校教育では習いませんよね。
作文を書くときに習う「起承転結」は物語などを書くケースでは有効ですが、一般的な文章(記事)を書くさいにはほぼ使えません。
何をどの順番でどのように書くか、自分で考えなくてはならないのです。
仕事をこなして修正を受け、経験を重ねて自力で学んでいく人もいます。
しかし、多くの初心者ライターがやることは構成メソッドの活用です。
今回は、その構成メソッドについて紹介しますね。
構成の立て方がわからんっ!! と頭を抱えるライティング初心者の方に、読んでいただきたい内容です。
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*ライティングは構成が大切! だけどそれが難しい…
WEBライターが受ける仕事では「構成」から書き手の担当になる案件があります。
クライアントがキーワードとコンセプトや方向性を出し、あとはすべてライターに任せるというやり方ですね。
ここで、「えっ!? 一体何を先にすればいいの?」とフリーズしてしまう方は、おそらくまだ構成についてあまり知識がないだろうと思われます。
書いた記事を人から読んでもらい、理解を深めてもらい、途中でページを閉じないようにしてもらうには、構成が大切です。
開いたページを最後まで読んでもらい満足してもらって、初めて私たちライターは文章を書いた意味がでてきます(ただし、多くの場合、記事の全文は読んでもらえません)。
とは言え、そもそも構成が難しいのですよね。
私も最初は検索上位にある10サイトをとにかく読み込み、必要と思われるものをパッチワークのようにあてはめて作ったりしていました。
しかし上位記事の情報が正しいとは限りませんし、それでは時間がかかるばかりで効率が悪い。
そのため、文章作成に慣れるまでは次で紹介する5つの文章構成メソッドを活用することがおすすめです。
集めた情報をあてはめれば立派な構成が出来上がるので、とても楽ですよ!
*構成にはメソッドがある! 5つの方法
昔からいろんな人が研究し、こうすればいいんじゃないか、ああすればいいんじゃないかと知恵を絞って下さった結果、現代には複数の文章構成メソッドが確立しています。
有難いことですよね!イエーイ!!°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
ぜひ活用させてもらいましょう。
以下、5つのメソッドです。
・SDS法
・PREP法
・CREMAの法則
・AIDMAの法則
・PASONAの法則
それぞれの法則は、「売りたい」「回答したい」「集客したい」などの目的にあわせて使い分けることが正しいのですが、初心者はとにかく書くことが大切。
悩む前に公式にあてはめて文章を書いていきましょう。
スタートのときは「なぜ?」など考えず、無心に行うことがおすすめですよ。
とにかく最後まで書いてから、疑問点などを解消していってくださいね。
では、順番に紹介していきます。
・SDS法
最もシンプルな方法です。
これを使えば、「言いたいことが伝わらない」という最悪の事態は間違いなく回避できます。
SはSummary(概要)・・・記事の要約
DはDetails(詳細)・・・概要の詳しい内容を、メリットやデメリットを加えて具体的に説明
SはSummary(概要)・・・まとめ。再び文章の内容を端的に述べる。根拠も記載すればなお良し
SDS法では、文の始めと終わりに言いたいことを繰り返します。
そうすれば、結論を読む人に強く印象付けられるからですね。
テレビのニュースなどでも活用されています。
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例:「Aは体の健康にとって非常に重要だ(要約)。
なぜなら、Aは〇〇や××の効果があるからだ(詳細)。
よって、Aは人の健康にとって重要である(まとめ)」
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・PREP法
続いてPREP法。
SDS法よりさらに詳細な内容説明ができる方法です。
会社でのプレゼンや、ビジネスライティングはほとんどこれでしょう。
SEOライティングでも多いですよ。
PはPoint(結論・要点)・・・文章全体の結論をシンプルに伝える
RはReason(理由)・・・結論に至った理由。メリットやデメリットを添えると読みやすい
EはExample(事例・具体例)・・・読者に内容を信頼してもらうため、理由をより詳細に説明する。事例や具体例、公的な資料をつける
PはPoint(結論)・・・文章全体のまとめになる結論。再度主張を行い、読者に納得、理解、信頼してもらう
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例:「Aは人の健康にとって非常に重要なので、毎日摂取した方が良い(結論)。
なぜなら、人体には〇〇が✕✕の量必要で、それは体の中で作り出すことはできないからである(理由)。
実際に厚生労働省が公開しているデータでは、〇〇が不足している集団は以下のような病気にかかりやすいと出ている(事例・具体例)。
つまり、健康でいるためにはAを毎日摂取した方がよい。
飽きずかつ手軽に摂取するには、この商品がおすすめだ(結論)」
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・CREMAの法則
アフィリエイトなどをしている人が多く活用しているのが、クレマの法則。
比較的短い文章(1000文字~3000文字程度)で読む人の行動を促進する構成です。
SEO記事にもよく使われていますよ。
CはConclusion(結論)・・・最初に結論を述べる。読む人は文章の趣旨を理解しやすくなる
RはReason(理由)・・・結論に至った理由を述べる。メリットやデメリットもここで伝える
EはEvidence(証拠)・・・理由の根拠を述べる。内容に信頼性が生まれる
MはMethod(手段)・・・どうすれば最初の結論を達成できるのか、手段を明確にする。読む人が簡単に実践できるものを書けばなお良し
AはAction(行動)・・・実際の行動を促す
証拠としてあげるものは、公的な数値やデータ以外にもインフルエンサーの意見や商品の口コミ、専門家の意見などがあります。
商品の購入が最終的な目的であれば、実際の口コミなどを書くことで読む人は納得しやすくなりますよね。
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例:「健康によいAを購入するなら〇〇店がおすすめだ(結論)。
なぜなら〇〇店にはこのような購入者特典がある(理由)。
実際に〇〇店でAを購入した人の口コミを数点(証拠)。
〇〇店では、来店して購入する方法の他にインターネットでの販売もある(手段)。
今はキャンペーン中で割引があるが残り期限が少ないので、すぐに購入しよう(行動)」
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・AIDMAの法則
AIDMAの法則は、消費者が商品の存在を知ってから購入するまでの5つの段階に合わせた構成方法です。
消費者心理にあわせた理論なので、主にマーケティングに活用されています。
美容商品のアフィリエイトなどでもよく見かけますね。
AはAttention(注意)・・・最初に商品を紹介し、読む人の好奇心をあおって注意を引く
IはInterest(関心、興味)・・・どういう商品なのか、どんな悩みを解決できるかなどを述べる
DはDesire(欲求)・・・「購入したい」と読む人に思わせる段階。購入で悩みが解決した状態をイメージさせる
MはMemory(記憶)・・・「欲しい」という欲求を再び思い出させる。読む人が持つ悩みを具体的に解決する提案をするなど
AはAction(行動)・・・商品を購入するためのフォームの設置など。消費者の消費行動を促す
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例:「毎日1粒飲むだけで健康になれるサプリAがある(注意)。
Aは小粒で飲みやすく、アレルギーにも対応している。
持ち運びやすく、外見もおしゃれだ(関心、興味)。
××の症状を抑え、毎日をすっきりした気分で迎えられる(欲求)。
なんだかやる気がでない、体がだるいと思っていたよね? そんなときこそAを飲むべきだ(記憶)
今ならキャンペーン実施中。
ここをすぐにクリック!(行動)」
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※この例文はサプリ商品のため、実際には薬事法に基づいた記述をする必要があります。
・PASONAの法則
PASONAの法則も、ものやサービスを売るための文章方程式ですね。
LPやサービスページを書くときなどによく使われています。
PはProblem(問題)・・・最初に読む人の悩みを明確にする。読む人も気付いていない潜在的な悩みを掘り下げていく
AはAffinity(親近感)・・・自分は敵ではなく、味方であること、あなたの悩みを解決したいと思っていることを伝える
SはSolution(解決策)・・・共感した後に、具体的に悩みを解決できる方法を紹介する。データや数値などを使うとより効果的
OはOffer(提案)・・・悩みを解決できる商品について紹介する。価格、効果、口コミなどを具体的に示し、読む人に納得してもらう
NはNarrowing Down(絞込)・・・見込み客を絞り込む。「10名限定」や「明日までのキャンペーン」などを使い、購入意欲を沸かせる
AはAction(行動)・・・今すぐ商品を購入すべき理由を述べる
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例:「最近眩暈や原因がわからない体の不調に悩まされていないか? もしかしたら、Aの不足かもしれない(問題)。
満員の通勤電車で不調になったり、大切なプレゼン前に眩暈がしたりすると困るよね(親近感)。
毎日1粒飲むだけで健康になれるサプリAがある(解決策)。
Aは小粒で飲みやすく、アレルギーにも対応している。
持ち運びやすく、外見もおしゃれだ(提案)。
今ならキャンペーン実施中(絞り込み)。
もうすぐ定員に達するから、ここをすぐにクリック!(行動)」
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※この例文はサプリ商品のため、実際には薬事法に基づいた記述をする必要があります。
・関目が使っているのはCREMAの法則
上で紹介した5つはどれも魅力的な公式、方法ですよね。
私はここ1年、ライティングのお仕事では「CREMAの法則」を使っています。
ブログ記事を担当することが多く、結論ファースト! を望むクライアントが多かったからですね。
ですが、美容商品の購買促進依頼などのときにはPASONAの法則を使うこともありました。
しかし、これはまあ個人的性質の話になりますが、私はどうしても「共感」の部分に力を入れすぎる傾向があり、文字数が増えてしまいがちでしたね。
というわけで、ここ最近はもっぱらCREMAの法則です。
結論→理由→証拠はたまに飛ばして手段→行動、というわかりやすい構図です。
5つの構成方法はそれぞれに特徴があるのですが、慣れるまでは1つお気に入りを見つけ、何度も書いて練習することがおすすめですよ。
私も本当ならブログでもこの公式を使えばいいのですが、自分のブログはかなりラフにやっております……。
お仕事では公式を使って数々のチェックをし、しっかりと書くのですが……。
そこは、反省すべきところですね。
*使う構成方法を決めたらタイトルや見出しを作っていく
たとえばCREMAの法則を使うとしましょう。
パソコンでメモ帳やグーグルドキュメントなどお好きなものを開き、その構成をメモします。
そしてそこに、キーワードで調べて出てきた上位10くらいまでのサイトを確認して、見出しを決めていきましょう。
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たとえば……。
H2(大見出し)Aは健康によい!手軽に摂取できるのは〇〇!→結論
H2(大見出し)〇〇はどういうサプリ? 特徴や詳細など→理由
H3(中見出し)強みは××の点
H2(大見出し)Aが不足すると体は✕✕になる→証拠
H3(中見出し)Aの効果3つ
H4(小見出し)効果①・・・
H2:〇〇はネット通販がおすすめ!→手段
H2:今がチャンス! 〇〇でAを手軽に摂取しよう! →行動
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こんな感じでしょうか。
こうすれば、さほど頭を悩ませることなくサクサクと見出しが出来上がります。
慣れれば、10分もかからずに見出しを作れるようになりますよ。
もちろん中身によってあとで見出しが変化することもありますが、方向性を決めておけば楽に文章が書けるでしょう。
見出しを並べたあともしくは見出し考え中に同時進行で、私は書く内容をメモしています。
この見出しの中には何をどのように書くかを箇条書きでメモしておけば、本文を書くときにとても楽だからです。少なくとも私は。
*個性を抑えて再現性を目指す
SEOライターには特に言えることですが、文章に個性を出してはいけません。
誰にでも読みやすくて再現性のある文章の方が、クライアントも読む人もわかりやすくて喜ぶからですね。
記事にライター名が記載されるようなお仕事は別かもしれません。
クライアントによっては個性を出してほしいと言われるケースもあります。
しかし一般的なSEO記事を依頼されて書く場合、個性は出さずに再現性を意識して書くと、修正も少なくて済むでしょう。
そのためには、構成も公式にあてはめて組み立てると簡単で便利です。
私もまだまだ勉強中ですが、ライター初心者の人はぜひ使ってみてくださいね。
構成で悩んでしまって本文がちっともかけない、という事態は避けられますよ。
参考になれば幸いです。
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