ご飯なんですけどね、皆さんどのくらいおかずを出します?
よく言いますよね、理想的な食事は一汁三菜とか。
で、たとえば外食をすると、セットでなく単品で注文してもお味噌汁やサラダなんかはちょこんとついてきますよね。もしくは漬物とか。
親子丼単品を注文しても、赤だしがついてきたり、お漬物がついてきたりという感じです。
我が家は、平日には単品ご飯が多いんです。
たとえばカレーライスの日。私が作るのは基本カレールーだけ。
ご飯は炊飯器が炊いてくれますし、他にサラダとかはつけないんです。
ただ単に、カレーライスのみ。それを食べたら食事は終わり。
他にもおかずを作る日だってあるんですけどね、冬は寒いので、みそ汁はあったりとか。でも品数は少ないですね。
これは、私が育った実家のやり方です。
うちの母はもう今年70歳になりますが、大学卒業してから公務員になり、女性としては高いキャリアを築いた人。
しかも昭和から平成になって~という頃に私は小学生でしたから、今でいうワンオペです。
女性は家事・育児をして当然で、なおかつ仕事も(したかったら)してもいいよ(となぜか父親や夫の許しをもらう)状況が多かったころ。
母方祖父母は女子でも教育は大切と思っていたようですし、仕事をすることもおすすめしていたようです。
そして父は両親と幼少時に別れていたため、いわゆる「実家」がなかく、そのようなステレオタイプの昭和男には育ちませんでした。
妻がガンガン仕事をしても何も言わないし、自分も家にいるときは掃除・育児をやっていました。
とはいえ、ガッツリとフルタイムで責任ある職についていた母の帰宅はいつも夜の8時とか9時。
当たり前ですが、帰宅するころには母はいつも疲労困憊です。こっちも待ちくたびれて、お腹もさほど空いていません(一番お腹が空く夕方は、おやつを作って食べてました)。
だから夕飯は、ちゃちゃーっと簡単に作れる単品ものが多かったのですね。
単品で、どーんと出す。
ハムエッグと白いご飯、終わり! とか、肉焼いてご飯、終わり! とか。ワンプレートにレタスやキャベツは載っていましたが、別途サラダや野菜の煮物的なつけ方はしてませんでした。
あとで洗い物が減るように、余裕がない平日の夜は品数なしとほぼ統一されていたんですね。
その代わり、のん兵衛の父のために休日には料亭かってほどの小皿の数、酒のアテの団体さんが出てくるわけです。
平日は質より量(白米の)、休日は質かつ量(多彩なおかずと白ご飯)、そんな実家でした。
それが身についている私は、自分が家族を作ってもそうしますよね。
平日は丼やオムライスなど一皿ですむメニュー率が高い。
休日はやたらと品数が多い。
だけど昔、まだ病気で倒れる前に営業職をしているとき、同僚たちと今晩のご飯何作る~? の話をしていたら、「あれ? うちって普通の日のおかず数、少なすぎる??」と気づいたんですね。
なんか、皆平日からいろいろ作っている模様…。
よーく考えたら、うちの夫は文句こそ言いませんが、食事のあとにお菓子を食べてるなあ…。おかず食いの人だし、足りてないのかも…。
まあ、だからと言って平日の品数を増やすこともなく、我が家は我が家でいってきたのですが。
で、冒頭に戻ります。
久し振りに、晩御飯にカレーライスを作ったんです。
子供らが中学校になってお弁当になったので、カレーって家ででなきゃ滅多に食べないんだよなあと思って。
平日なので、それだけのはずでした。
だけどちょっと考えたんですよね。
昔、その営業職のころに感じた「自分の家の常識は日本の非常識かも」という感覚を思い出しました。
一般的日本人家庭では、他にもおかずが出るのなら…。
子供らも成長期だし、うちでもそうしてみようか、と。
今は仕事もセーブしていて、私の精神的・肉体的余裕もあるし…。
なので、サラダを作り、コンソメスープを一緒に出してみました。
ところが食器を運ぶときにそれを見た子供たちは、カレー皿にご飯をよそおう私に言ったんです。
「お母さん、ご飯、少なめで」
「あ、こっちも」
うそん、何でよ、お腹でも痛いの? そう思って私は聞きます。
「どこか痛い? 学校から帰ってきておやつも食べてないんちゃうん?」
子供らは言いました。
「いや、サラダとスープがあるから…」
「あん? だから?」
「カレーそんな入ってたら無理」
「え、あんたら成長期やんか。食べられるやろ?」
「いやいや、普段と違うの無理。金土やったら頑張るけど」
単品メニューばかりなので、ついご飯を大盛にする癖が。
金土の夫が休みの日には私も母のように一汁五菜くらい出すので、子供らもそれが当たり前と思っていて複数のおかずを何となく食べられるのか。
ははあ、と私は思いました。
今から変えても無理なのか、と。
や~っぱりね、私はご飯を少なめによそおいながら、思ったんです。
これからも我が家の食事、平日は単品で行こうっと。
いいんだわ、別に他と一緒でなくたって。
私の顔は、にんまりと笑っていたはずです。うへへへへ。