
去年から神社仏閣巡りを始めた私、普段はパニック障がいと広場恐怖症があるため公共機関に乗れず、遠方へはなかなか行けませんが、夫の休みの日には自家用車でちょっと遠出ができます。
そこで2025年の8月、とても久しぶりに比叡山延暦寺へ行くことにしました!
去年の秋には伊勢神宮、今年の冬には東大寺へ行ったので、大きくて由緒ある有名な神社仏閣へまた行きたいなあと思っていたのです。
やはり違うんですよね、感じる力というか、空気の質と言うかが。
街中にある小さな神社やお寺も大好きですが、大きく古いところはさまざまなものが「違い」ます。
延暦寺へ行くんだけど、と子どもらにも声をかけたら、一緒に来てくれるというので家族でお出かけすることにしました。
当日は残念なことに雨!
しかし神社仏閣とお城に関しては、雨は雨で風情がありますよね。
ワクワクしながらお出かけした、そのときの話です。
*延暦寺とは?

まずは延暦寺について、簡単に説明しますね。
延暦寺は、滋賀県大津市にある天台宗の総本山です。
標高848メートルの比叡山(ひえいざん)に広がる広大な寺院群で、1200年以上の歴史を持つ日本仏教の聖地として、古くから多くの人々を魅了してきました。
その広さは何と、約500万坪!
比較としてよく出されるのは東京ドームですが、私は関西の人間なので甲子園球場で説明された方がわかります。
延暦寺の広さは、その甲子園球場500個分だそうですよ。
知ったとき、「わあ!」と驚きました。
平安時代初期の805年(延暦24年)、最澄(さいちょう)によって開かれた延暦寺は、日本天台宗のはじまりの地であるとともに、法然、親鸞、栄西、道元、日蓮といった、その後の日本の仏教を大きく発展させた宗祖たちが修行を積んだ場所でした。
そのため、日本仏教の母山とも呼ばれています。
「一隅を照らす、これ則ち暗闇を照らすなり」という最澄の教えは、延暦寺の精神として今も受け継がれており、多くの参拝者や修行僧に影響を与え続けているそうです。
広大な境内には、国宝や重要文化財に指定されている多くの堂塔伽藍が点在し、それぞれの歴史や物語を伝えていますよ。
比叡山内は、東塔(とうどう)、西塔(さいとう)、横川(よかわ)の3つのエリアに分かれており、それぞれのエリアに特色あるお堂や史跡があります。
「延暦寺」という名前の建物があるわけではなく、その広大なエリア、山全体を延暦寺と呼ぶ、と覚えてくださいね。
延暦寺の基本情報
- 名称:延暦寺(えんりゃくじ)
- 宗派:天台宗
- 開祖:最澄(伝教大師)
- 創建:805年(延暦24年)
- 所在地:〒520-0102 滋賀県大津市坂本本町4280
- アクセス:電車: JR湖西線 比叡山坂本駅、京阪石山坂本線 坂本比叡山口駅より、ケーブルカーまたはバス / 車: 名神高速道路・京都東IC、または中国自動車道・西宮山口ICより比叡山ドライブウェイを利用
- 拝観時間: 季節により変動します。
- 拝観料: 境内全体を拝観するには、共通券の購入が必要です。
- 公式サイト:https://www.hieizan.or.jp/
主な見どころ
延暦寺には、以下3つのエリアがあります。
しっかり見学しようとすると丸1日かかるため、そんなに時間がないという方は、集中して見学したいエリアを決めて行くようにしてください。
それぞれのエリアにある代表的な建物は以下の通りです。
東塔(とうどう)エリア
- 根本中堂(こんぽんちゅうどう):延暦寺の中心となるお堂。不滅の法灯が灯されています。
- 大講堂(だいこうどう):多くの僧侶が集まり、仏法を説いた場所です。
- 法華総持院東塔(ほっけそうじいんとうとう):比叡山のシンボルともいえる五重塔です。
西塔(さいとう)エリア
- 釈迦堂(しゃかどう):慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん)によって創建された、最澄が請来した釈迦如来像を安置するお堂です。
- にない堂(担い堂):恵亮(えりょう)が比叡山の東塔・西塔の二つの堂を一人で担ったという伝説に由来する、二つの堂が渡り廊下で結ばれた珍しい建築様式のお堂です。
横川(よかわ)エリア
- 横川中堂(よかわちゅうどう):恵心僧都源信(えしんそうずげんしん)が創建した、聖なる霊域の中心となるお堂です。
- 元三大師堂(がんざんだいしどう):良源(りょうげん)大師(元三大師)を祀るお堂で、厄除け大師として信仰を集めています。静寂な雰囲気を持つエリアです。
*18年ぶりくらいの延暦寺へ! 雨と霧で神秘的な午前中

当日は雨。
雨だと歩きにくかったりするのかな~と心配でしたのでいろいろな参拝ブログを読みましたが、足元は整備されているうえに風情があってとても良かった、という声が多かったため、行こう!と決定。
朝7時に兵庫県にある自宅を出発し、車で一路滋賀県まで。
朝食はコンビニで購入して車の中で食べたのですが、普段は在宅ワーカーで家から出ない自炊生活なので、これも楽しかったです。
子どもらも喜んでいました。
やっぱり普段と違うことをすると脳が喜ぶ感じがありますね。
延暦寺は京都と滋賀の境目にあるため、新名神高速道路を使って京都東を目指します。
・今回向かったのは東塔エリア
前述したように延暦寺は広大で、3つのエリアがあります。
今回は東堂エリアを選びました。
延暦寺には一度行ったことがあったのですが、それはまだ私が高校生のころでした。
高校の授業で最澄のついての発表があったための訪問で、当時はまったく興味がなかった延暦寺には興奮の「こ」の字もなく。
お友達のご両親に車で連れて行ってもらったことは覚えてるのですが、興味がなさすぎたせいかその他の記憶がゼロなんですね。
そこで、最初に最澄がお堂を建てた東堂エリアから行くべきだろう、と思いました。
・霧で閉所恐怖症発動!安定剤と深呼吸
車でまずは京都の東まで行き、そこから滋賀へ入って山道をぐるぐると登っていくんですね。
何度も京都と滋賀を出入りしながら山を登っていくのですが、何せ雨天!
山の、割と下の方から霧が出現していました(´;ω;`)
琵琶湖はうっすらと見える程度で(それでもその大きさにやはり驚きました)、まあその時点では「幻想的~!」と喜んでいたんです、家族で。

しかし山道を上がれば上がるほど濃くなる霧!
すぐ前が見えないというほどではないものの、ガードレールから先は見えず、私は閉所恐怖症による発作の危機があったほどでした……。
パニック障がいになってから高所も閉所も恐怖を感じるようになってしまったのですが、霧で景色が見えず高さを感じないから怖くないかも~などと言いながら登ったら、霧で周囲が見えず閉所恐怖症で苦しむ羽目に。なんてこった!
持参している安定剤を飲みましたし、子どもらもついてきてくれていたので本当に良かったなあと思いました。
夫婦2人なら私が恐怖に負けて下山していたかもです。
それでも何とか大講堂が近い第一駐車場に到着し、8時半ごろから境内を歩き始めました。

*延暦寺 雨と霧の中の見学


入場料を支払って入ると、まずは坂道を上ります。
道の左右に最澄さんの生涯がイラストと文章で紹介されていて、ほおほおと思いながら進みました。
雨で傘を持っていなければ、じっくり読みたかったなあ~!


・大講堂

駐車場から坂を上がったところにあるのが、大講堂です。
9時になると開くようで、まだ扉は閉められていましたが、複数の方がお掃除をされていました。
ここにあった鐘楼は、織田信長による延暦寺攻めの際に「なすび婆」という妖怪が鐘を打ってお寺中に知らせたものだそうですよ。
一打100円で撞けました。



すんごい音で、あたりの森林に響いてましたね。
確かにこの鐘なら延暦寺全体に緊急を知らせられるかも。
この大講堂には最後にまた戻ってきて、帰宅前に参拝しました。
・根本中堂


延暦寺の中心となるお堂ですね。
最澄が創建した最初の道場で、国宝に指定されています。
本尊は薬師如来。
何度も災害に合ってきたお堂ですが、その度に規模を大きくして復興したそうです。
残念なことに今は修復工事中で、すっぽりと覆われていました。
坂を下った谷部分にあり、覆いがなければ本当に幻想的で素晴らしい光景だったのではないか、と思いました。
うーん、工事が終わったらまた来たいです。
緑の谷に沈んだような大きく立派なお堂が見たい。
雨だったからか朝いちばんだったから空いており、お坊さんに少しお話もしていただけました。
中は暗くひんやりとしていて、とても落ち着きましたね。
上の子は「今年一番のリラックス……」とぼうっとしていました。
最澄が灯して以来、1200年以上も途切れることなく灯されていると言われる「不滅の法灯」があり、守られています。

不滅の法灯はどうやって守られたか
織田信長による延暦寺の焼き討ちでは、根本中堂も焼き払われたため、不滅の法灯も一度消えてしまっています。
しかし、各地にある複数の天台宗の本山に不滅の法灯は分灯されており、そのうちのひとつ山形県の立石寺から法灯が戻され、危機を乗り越えたそうですよ。
参考:不滅の法灯――受け継がれ、続いていることの偉大さ|歴史チャンネル
・文殊楼



根本中堂を出て急な石段を上ったところにありました。
ここ、秋には素晴らしい風景でしょうねえ。
延暦寺の山門にあたる建物で、徒歩で本坂を上ってくるとまずこの門をくぐることになるようです。
駐車場からの道は裏口ということなのでしょうか……。
こちらが山門なのね!
一度焼け、その後1688年(寛文8年)に建てられたのが、現在のものです。
重要文化財に指定されています。
・萬拝堂と一隅会館

萬拝堂は、日本全国の神社仏閣の諸仏諸菩薩諸天善神を勧請し、さらに世界に遍満する神々をもともに奉安して日夜平和と人類の平和を祈願しているお堂です。
大きな数珠があり、それを左回りに転がしながら一周することで、神々に挨拶できるようでした。

その隣にあった一隅会館は無料の休憩所ですね。
地下にお蕎麦屋さんがあるのですが、時間が早すぎたのでまだ開いてませんでした。
休憩所に折り鶴があったので、我が家も参加。
久しぶりに折りました、鶴。


折り紙って性格が出ますよね~。
夫が作った鶴が一番きれいでぴんとしてましたが、彼の実家があるところは鶴に性別があるらしく、雌?だったか雄?だったかを折るとかで、私や子どもらが折った鶴とはちょっと違ってました。
・大黒堂

大黒堂は一隅会館の前にありました。
ここは伝教大師最澄が比叡山にのぼったとき、この地において大黒天を感見したところだそうです。
つまり、ここが日本の大黒天信仰の発祥の地なのですね。
本尊の大黒天は「三面出世大黒天」。
大黒天と毘沙門天と弁財天が一体になった姿をしています。
すごくないですか?
七福神巡りの必要なくない、ここに来れば?←そういう問題ではない
個人事業主の私、静かな心でお詣りいたしました。
・甘酒とゆば饅頭で休憩


萬拝堂の隣にトイレや売店があったので、ちょっと休憩しました。
子どもたちはかき氷だアイスだと雨の山の中とは思えない冷たい食べ物を欲しましたが(若いよねえ)私は甘酒、夫は名物だというゆば饅頭を食べていました。
ひとくちもらったのですが、美味しかったー!
味も思ったより濃く、どちらかと言えば豚まん寄り。
真夏なのに気温が低い場所にいましたので、温かさでより美味しかったですね。
・豪雨による撤退


10時半ごろになり、大講堂へ戻って参拝。
あとは法華総持院東塔だなあ~と思っていましたが、ここに来ていきなりの豪雨!
先ほどまでの「まあまあ強いときもあるけど大体はしとしとレベル」の雨ではなく、傘をさしているのに全身がずぶぬれになるといったレベルの豪雨です!
仕方なく、諦めて帰宅することにしました。
参拝中は雨がさほど強くなかったのに豪雨になったということは、「早く帰りなさい」というお告げなんだろうなと思ってました。
雨がひどくて山を下りれなくなったら困るので、と車に乗ると、雨は少々マシに。
山道で怖いから嬉しいね~などと言いながら下山すると、そのあと前も見えない豪雨になったんです。
あー、やっぱり早く帰りなさいというお告げだったんだな……。
大津の町で中華料理をお昼ご飯に食べ、車中で歌を歌いながら帰宅しました。
*晴れた日にまた行きたい延暦寺

今回は東堂エリアに行きましたが、阿弥陀堂や法華総持院東塔には行けず、残念でした。
また根本中堂が工事中だったことも残念だったので、工事が終わって天気が良い日にまた行きたいです!
やはり昔からある大きな寺社は違うなあと改めて感じました。
落ち着き感がすごかったです。
霧による閉塞感で恐怖が出て、パニック発作を起こしそうだったはずの私が、お堂では一瞬で平安を得ました。
目には見えないけど、何かがあるんだろうなあと思わずにいられません。
あとは単に山の中って酸素が濃いから、呼吸が浅い私でも酸欠にならず、頭が喜んだのかもしれませんね。
半日だけでしたが、とても楽しい延暦寺訪問でした。
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