
車中泊で奈良県へ行った際、今まで参拝したことがなかった春日大社へ行ってきました!
ここ数年、寺社巡りをしている私、春日大社に行ったことがないなんてと恥ずかしく思っていたので、嬉しかったです。
というわけで、今回は奈良・春日大社の神様や歴史、参拝時の注意、そして参拝時の写真や感想について書いていきますね。
参拝してきた!だけを見たいという方がいらっしゃれば、目次からどうぞ。
▼関連記事 奈良での車中泊は平城京跡歴史公園にて
*春日大社とは?

奈良公園の東端に位置する春日大社は、約1,300年もの歴史を持つ、奈良を代表する神社です。
全国に約1,000社ある「春日神社」の総本社ですね。
その貴重な歴史的価値から、1998年(平成10年)に「古都奈良の文化財」の一部としてユネスコ世界遺産にも登録されており、国内外から多くの人々が訪れるパワースポットとなっていますよ。
朱塗りの鮮やかな社殿と、万灯(まんとう)と呼ばれる数千基に及ぶ石灯籠や釣灯籠が織りなす幻想的な景観は、訪れる人々を魅了してやみません。
・春日大社の歴史
春日大社の創建は768年(神護景雲2年)。
当時の有力貴族・藤原氏が氏神をまつるために建てたのがはじまりです。
藤原氏は奈良から平安時代にかけて政治の中心で大きな力を持っており、その繁栄とともに春日大社も発展していきました。
藤原道長が大変有名ですよね~。
中世には「春日詣(かすがもうで)」と呼ばれる参拝が盛んに行われ、貴族や武士、庶民に至るまで多くの人々が春日大社を訪れました。
このときに生まれたのが有名な「春日曼荼羅」です。
春日大社の社殿や御神体の山(御蓋山)を描いた絵画で、全国の信者に配られ、信仰を広める役割を果たしました。
さらに春日大社では、社殿を20年ごとに建て替える「式年造替(しきねんぞうたい)」が行われています。
伊勢神宮の「式年遷宮」と並ぶ大事業で、約1,200年もの間ほぼ絶えることなく続けられてきました。
このおかげで建築技術や伝統文化が連綿と受け継がれ、社殿は常に美しい姿を保っているのですね。
現在も年間を通して多くの祭礼や神事が行われ、国内外から訪れる参拝者を迎えています。
・春日大社の神様
御祭神は「春日四柱大神(しはしらのおおかみ)」と呼ばれる4柱の神々です。
武甕槌命(たけみかづちのみこと)、経津主命(ふつぬしのみこと)、天児屋根命(あめのこやねのみこと)、比売神(ひめがみ)をまつっています。
武甕槌命と経津主命は武運の神として、天児屋根命と比売神は藤原氏の祖神として信仰を集め、国家の安泰や人々の繁栄を祈る重要な神社となりました。
春日大社に祀られる四柱の神様は、それぞれが異なるご神徳を持っていますが、総じて、
- 国家鎮護・平和:国を守り、平和をもたらす
- 産業振興・五穀豊穣:農業や商工業の発展、豊かな実りをもたらす
- 開運招福・延命長寿:幸運を招き、長生きできるよう導く
- 学問・芸術・芸能:学問や芸術、芸能の分野での成功をもたらす
- 安産・子孫繁栄:子宝や安産、子孫の繁栄を願う
- 縁結び:良縁に恵まれるよう導く
といった、人々の生活全般にわたる様々な願いを聞き届けてくださるとされています。
【武甕槌命(たけみかづちのみこと)】
春日大社の御祭神として最も重要視されているのが、武甕槌命です。
この神様は、国譲りの神話で活躍した勇ましい神であり、武勇や開拓、勝利の神として信仰されています。
春日大社が創建された際、藤原氏の氏神である中臣氏の祖神として、鹿島神宮からこの地に勧請されたと伝えられています。
【経津主命(ふつぬしのみこと)】
経津主命もまた、武甕槌命とともに国譲りの神話に登場する神様です。
こちらも武勇や開拓、勝利の神として崇敬されています。
春日大社では、武甕槌命と共に、国家鎮護の神としてお祀りされています。
【天児屋根命(あまのこやねのみこと)】
天児屋根命は、神話において祝詞(のりと)を奏上する役目を担った神様です。
そのため、学問、芸術、芸能、そして言葉を司る神として信仰されています。
藤原氏の氏神である中臣氏の祖神であり、政治や祭祀においても重要な役割を果たしたとされています。
【比売神(ひめがみ)】
比売神は、天児屋根命の后神(きさきがみ)とされることもありますが、その正体については諸説あります。
一般的には、女性の神様として、安産、育児、縁結び、そして子孫繁栄の神として信仰されています。
・春日大社と鹿
春日大社の象徴ともいえるのが「鹿」です。
創建の際、武甕槌命が白鹿に乗って奈良へ降臨したという伝説が残されており、それ以来、鹿は神の使いとして大切にされてきました。
境内や奈良公園にいる鹿は、この伝承と結びついた存在なのです。
現在でも鹿は「神鹿(しんろく)」として保護され、奈良のまち全体のシンボルとなっていますよ。
神様が乗ってきた神獣だったんですね、鹿さんは。
*いざ! 春日大社参拝!

いよいよ春日大社に参拝です。
当日は月曜日。
そして雨だったうえに朝9時だったため、いくらインバウンド中でも恐らく空いてるだろうと向かいました。
結果的に、私は空いている状態でじっくり参拝できたのですが、10時半には続々と観光バスが到着し、一気に外国人観光客だらけに(;^ω^)
日本人は私と夫だけじゃないだろうか、という状況になりました。
そらそうですよね、平日だとか雨だとか、旅行者には関係ないですもんね……。
さあ、では参りましょう。
車で直接春日大社の駐車場へ行ったため、駐車場から入ることになりました。
一の鳥居や参道をすっ飛ばして二の鳥居からになりましたが、すみません。

9時前だったかなーと思います。
春日大社の駐車場です。
このときは空いていたので、やっぱり雨だし平日だからだねえなどと夫と話していました。


本当にいたるところに鹿さんがいるので、きっと本来ならもっと糞でいっぱいなんですよね。
でもお掃除の方々がきれいを保ってくれていました。
感謝です。
さて、駐車場から二の鳥居に向かいましょう。


人が少なくてとってもよかったです!
幻想的でしっとりした写真が撮れますし、静かで、厳かでした。
鹿せんべいは持っていないので、鹿さんには「ごめんね」と言って通り過ぎます。


二の鳥居前で挨拶をし、くぐるとすぐに手水鉢がありました。
ここにも鹿さんの像が……!
神獣なのですねえ。

手を洗い、口を注いで清めました。
右隣にあるゆっくりした上り坂を本殿に向かってあがっていきましょう。

本業ライターのくせに表現力がなくて申し訳ないのですが、本当~に「ジブリの世界!」でした。
これは確かに海外からきた観光客は喜ぶでしょうね。
苔むした灯籠がずらりと並び、大変「日本的」。
たま~に鹿さんが出てきてこちらを見ていました。

正面の階段を上って、左は本殿、右は紀伊神社方面へ続いています。
まずは本殿に行ってきます。

見えました!
こちらが南門です。
南門は重要文化財で、現在は本社の正門とされていますが、元々は藤原氏以外の他姓の者の参入門だったそうです。
そうか、春日大社は藤原一族の氏神さまなので、他の姓の方々とは別の入り口から入っていたんですね~。
南門の前には神様が降臨されたという「出現石」や、ご祭神についての説明看板などがありました。
下の写真は南門をくぐったところです。
右側が参拝を済ませた人たちが出てくる場所で、お札や御守りなどがある授与所ですね。
左側に傘をさしている方が立っているところが拝観料を納める場所です。

神聖な場所である本殿を含む、拝殿正面からの撮影は禁止されています。
私は神社巡りをするので知っていましたが、この前の広場からの拝殿撮影は構わないだろうと勝手に判断して写真を撮影してしまいました。
広場に「撮影禁止」の文字はなかったように思いますが、思い直し、反省して写真は出さないことにいたします。
というわけで、こちらが斜めから撮った拝殿ですね。

美しい建物ですよね。
凛とした空気が満ちていました。
この中に、第一殿から第四殿までと他に七社があります。
↓↓ こんな感じです。

手を合わせ、しっかりご挨拶してきました。
ようやく来れたので大変嬉しかったです。
順路に従えば、上の地図のCのところで横から本殿や他の社が見られるので、そのまま進んでくださいね。

こちらの杉は、鎌倉時代後期に描かれた絵巻物「春日権現験記」にその姿が描かれているそうですよ。
南門から入って本殿などがあり囲まれている範囲を「大宮」と呼びますが、中には何と15の社があります。
それぞれに参拝しましたが、写真掲載は念のためにやめておきますね。
下の写真は春日大社の名物(?)万灯篭を再現したものです。
「藤浪之屋」というひとつの部屋の中に鏡をはって灯篭に明かりをつけ、春日大社にあるすべての灯篭に火を入れる万灯篭をしているときはこんな様子ですよ、というのを表してくれているんですね。

とーってもきれいでした。
写真だと黄色っぽくうつってしまっていますが、どちらかというとオレンジ色で、ほんのり優しい光でいっぱいでした。
恐らくよくわからずに本殿やその他の社を参拝していただろう外国人のカップルが、この部屋からは長いこと出てきませんでしたね笑
求めてた幻想的な日本!の風景だったのではないでしょうか。
私も大変感動しましたので、長居したくなる気持ちがわかります。
その後、内侍殿や直会殿なども回り、砂ずりの藤(季節ではなかったですが)も見て、一度本宮を出ました。
*一言神社でお願いごと

こちらは一言主様を祀っている社で、本宮を出てちょっと南へ下り、貴賓館から水谷神社へ向かって延びる横道にあります。
絵馬(500円)にひとつだけ願い事を書いて奉納すると、叶うと言われている神様です。
我が家も絵馬を購入し、願いごとをすることにしました。
このときじっくり考えたんですよね。
最初は生活に困らないお金がほしい、でしたが、現在明日のご飯にも困っているという状況ではありません。
なぜお金がほしいのか?→家族の生活を不足ない状態にしたいから(食費・学費・交友費)→そうなると家族皆が充足するから→つまり、皆で幸せでいられるから。
ですね。
ということは、家族が健康で不足ない生活をできることが、幸せにつながると私が考えていることになります。
そのための道具としての、お金がほしいと。
そこで、願うべきはお金ではないと、やたらはっきり理解しました。
ただひとつだけのお願い事と言われると、しみじみ考えるものですね。
突き詰めて。
それって大事ですね。
結局健康があればお金は稼げますし、好きなところに行けて、好きなことができますね。
やはり最終的には家族の健康に行きつくのだなあ!
とは言え絵馬には欲深くちょっと贅沢に、「健康で仕事ができ、家族が一生お金に困りませんように」と書き入れました。
私が記入し、夫婦で合掌。
ちなみにこちら、その願いごとが叶ったら小さな鳥居を奉納してお礼をするというのが習わしだそうで、神前には赤く小さな鳥居がいくつも飾ってありました。
それを見て気づいた私。
……しまった、願い事を「一生」にしてしまったから、私は死んでから今日の願い事が成就したかがわかることになる!
つまり理屈としては、お礼参りが一生できない!!
あとでそう思いましたが、定年過ぎて家族が健康でいられたら、お礼詣りに再訪したいと思います。
*若宮と紀伊神社の参拝

春日大社の案内板を写真で撮ったものですが、上に丸く囲んだところが若宮です。
以下は、春日大社のパンフレットに書かれた説明です。
春日若宮は大宮(御本殿)の御子様であられ、長承四年(一一三五)に奈良の総鎮守として鳥羽上皇、関白藤原忠道の強い願いにより御創建された神社です。水を司り、知恵の神様であります。
大宮への参拝の後は、若宮様にもあわせて参拝するのが古くよりの習わしとなっているそうですので、私たちも行きました。


この頃、雨が降り出したので、あまり写真も撮れずでした。
人がおらず、じっくり見学(というか参拝)できました。
説明板も読んだのですが、やっぱり内容を忘れてしまってますね……反省、こういうのこそ、写真に撮るべきでした。
そして、全体図の最右に位置する紀伊神社まで、間にあるところを参拝しつつ向かいます。
ここまでくるとそもそも観光客がほとんどいません。
バスツアーでくる海外の方は、本宮周辺だけで帰っちゃうのでしょうね。
少々もったいないですよね。

春日大社と数々の社には、それぞれご祭神など説明書きがありました。
でも英語では書かれていないので、海外の方にはわからないでしょうね。
そこも、少々残念ではありました。
何の神様かくらいは訳してあった方がよいと思うのですが……。
敬意を持てずにマナー違反をしてしまうのは、そもそも無知であるからが大きく関係しているのではないか、と私は思っています。
対象について知れば、そうそう失礼なことはできないのではないかなあと。
何の建物かわからないけど、という状態ではあくまでも拝殿や鳥居も「建物」でしかなく、注意書きも読めないために神域に入ってしまうのでは?ぶら下がったりしちゃうのでは?と思います。
では、駐車場へ戻りましょう!
そう思って歩き出したのですが、紀伊神社から下へ降りる参道は下の写真みたいな道です。

人はおらず、雨は緑たちに阻まれ、酸素の濃い山道でした。
頭がすっきりとして、心が穏やかになっていくのを感じましたね。
やはり普段はちょっと呼吸が浅いのだろうな。
都会は空気も悪いですし、自然でいっぱいのところにくると、一呼吸ごとに心身が生き返る感じがしますね。
結局道路まで下り、そこから「上の禰宜道」という昔神官たちが通った参道という道を歩いて本殿の参道まで戻り、二の鳥居をくぐって駐車場へ戻りました。
いやあ、空気がよく、鹿さんは可愛く、大変リフレッシュできました。
本参道に戻ったら観光バスが到着していたらしく、あふれかえるほどの外国人の波!!!
どこにいたの今まで?と思うくらいの外国の人に囲まれて、日本人は私と夫だけではないかというほどでした。
さっきまで人気ゼロの禰宜道を歩いていたので、本当にびっくりしました(;'∀')
11時前には帰宅の途へ。
ずっと来たかった春日大社に参拝できて、幸せです。
健康に気を付けて、人生を楽しむぞ。
*春日大社詳細

- 住所:奈良県奈良市春日野町160
- アクセス:JR奈良駅、近鉄奈良駅から奈良交通バスで春日大社本殿行「春日大社本殿」下車すぐ。
- 公式サイト:https://www.kasugataisha.or.jp/
*こちらもどうぞ