勝尾寺(かつおうじ・かつおじ・かちおじ)は大阪府箕面市にある勝負運と厄除けのお寺。
その歴史は奈良末期まで遡れます。
花と緑の寺、勝ち達磨の寺としても有名な西国三十三箇所霊場のひとつでもある、関西屈指のパワースポットです。
勝尾寺の境内は何と8万坪と広大ですが、今回、厄除けと浄化を期待し、勝ち運を上げに行ってきました。
ここでは勝尾寺の歴史や現在の様子、至るところにいたミニダルマたちを紹介します。
勝負運を上げたい方、厄除けをしたい方、心身の浄化をしたい方におすすめのお寺ですよ。
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*勝尾寺は高野山真言宗の歴史ある寺院
勝尾寺の山号は応頂山。
本尊は十一面千手観世音菩薩で、本尊の真言は「おん ばざら たらま きりく」です。
全国的に有名な大阪北部のパワースポットで、「勝負運のお寺」や「勝ちダルマのお寺」としてよく知られています。
試験や試合、プレゼン、就活、転職などのさいに「勝ち残れるように」と祈願しに、全国から多くの参拝者が集まるお寺さんです。
どこにでもいるミニダルマ
ダルマ寺として有名な勝尾寺には、ほんとうに、どこにでもダルマさんたちがいます。
子供たちはあちこちにいるダルマを見つけることに夢中になるほど。
ちなみにこのミニダルマさんは「達磨占い」で買えるもので、自由に持ち帰りOKですし、どこに置いても構いません。
中には「どうやってここに置いたの!?」とびっくりするような場所にもダルマが置いてあり、それを見つけるのもまた勝尾寺の楽しみのひとつですね。
*勝尾寺の歴史
勝尾寺は、奈良時代末期の草創です。
古流記によると総研は神亀4年(西暦727年)のこと。
善仲、善算という双子の兄弟がこの場所に草庵を構えて修行したことに始まります。
この双子に師事したのが桓武天皇の異母兄である開成皇子。
彼は勝尾寺の前身である弥勒寺を創建しました。
さらに数年後、妙観が本尊の十一面千手観世音菩薩立像を制作したと伝わっています。
元慶4年(880年)に当時の住職が清和天皇の病気平癒の祈祷を行ったことで「勝王寺」の寺号を賜りますが、王に勝つのは恐れ多いということで「勝尾寺」に差し控えたそうです。
源平合戦の一ノ谷の戦いですべて焼失しますが、源頼朝の命で再建。
また、室町幕府4代将軍の足利義持によって将軍家の祈願寺に指定されました。
慶長8年(1603年)には豊臣秀頼によって山門が再建、本堂再建の浄財も寄進されています。
そして江戸時代、1672年に高野山の釈迦文院の末寺となり、それまでの天台宗から真言宗に改めました。
参考:勝尾寺の歴史 年表 | 勝運祈願・水子供養・人形供養・大阪観光 ::: 西国二十三番札所 勝尾寺
*勝尾寺の境内
では、境内の紹介です!
入山入り口から順に、私が歩いた順路で写真とともに紹介します。
①入山入り口
道路を挟んで第一駐車場があります。
屋内の第二駐車場もあって駐車可能台数は多いと感じましたが、行楽の季節などは駐車場待ちで2時間とかザラだそうです…。
隣の建物の中で入山券を購入しましょう。
②お迎え地蔵
まずはお迎え地蔵さまと対面です。
山門に入る前に手を合わせ、ご真言「おんかかかび さんまえ そわか」と三回唱えましょう。
ここにもたくさんのミニダルマたちがいますね~。
③山門
実は残念なことに、現在修復中でした。(2023年7月現在)
この山門が、豊臣秀頼によって再建されたものですね。
秋にはライトアップされ、幻想的な風景になります。
④お清め橋と霧
山門を過ぎてすぐが「お清め橋と霧」です。
この写真は山門を後ろ側から撮ったものなのですが、橋から湯気のようなものが沸き上がっているのがわかりますでしょうか。
これが霧ですね。
私はこれ、箕面だから温泉が出ているのだろうと勘違いしてました……(;'∀')
湯気ではなく、霧でした。
橋を渡るさいにこのお清めの霧を浴び、厄を落として身を清めてから境内に入るためにあります。
橋を渡って真直ぐに行くと、長い階段が出てきますよ。
そこらへんにもちらほらと赤いミニダルマさんたちが…。
階段を昇ったら大きく開けた場所に出ます。
⑤一願不動堂
上の写真の左側にあるのが、一願不動堂です。
お不動さまは人の悪を懲らしめ、人を善に導くのがお役目です。
さらに、ひとつの願いごとを一心に祈ると叶えてくださる、そう言われています。
柱の上にお不動さんを見守るようにミニダルマさんたちが並んでいるのが可愛い!
⑥勝ちダルマ奉納棚
全国から来た人々が、願いが叶った勝ちダルマを奉納する棚ですね。
これだけの人の願いが叶ったと思うと、こちらも嬉しくなります。
勝ちダルマは本堂の前で購入し、目入れの儀式をして持ち帰るそうです。
⑦三宝荒神堂
こちらは何と、日本最初の荒神社です。
名前は三宝荒神社。
1300年前に勝尾寺の初代住職が瞑想中にこの仏を感得したのが始まりだそう。
厄を払う、難を祓う荒神さまとして、その威神力は絶大と言われています。
家族に厄年がいるので、しっかり手を合わせてきました!
個人的に不思議だったのは、なぜ「寺」に「神様」がいるのかということだったのですが、少々調べますと、荒神さまは「大日如来を守る神様」でした。
つまり仏様を守る神様なので、神社がお寺にあるそうです。
⑧鎮守堂
荒神堂のお隣にある鎮守堂は、この土地を鎮め守る神が祀られているお堂です。
全体像を撮るつもりだったのですが、ミニダルマさんたちがあまりにきっちり並べられているので、そっちを撮ってしまいました…。
こうして見ると、その整然とした感じが若干怖くも感じますね。
⑨開山堂
開山堂です。
こちらは約1300年前に草庵を構えて修行をした「善仲と善算」、そして勝尾寺の前身である弥勒寺を送検した「開成皇子」の木造が安置されているお堂です。
ここにもミニダルマさんたちが…!!
⑩水掛け観音
水掛け観音さまが安置されています。
ここはご先祖様や亡くなったあの方、あの子を供養する場。
お水をかけてお参りします。
⑪大師堂


大師堂は、空海(弘法大師)を祀っているお堂です。
こちらでは四国八十八箇所のお砂踏みができますよ。
写真のお堂の左側、人がいるところから入り、ぐるっと後ろ側を回るように右側へ出てきます。
中は八十八箇所それぞれの像があり、それぞれの砂を踏んで歩くことによって各霊場にお参りしたことと同じ功徳が与えられるそうです。
⑫本堂


本堂には、ご本尊の十一面千手観世音菩薩さまが祀られています。
この本堂では1年365日、お経が止むことがないそうで、訪れたときにも境内に響き渡るお経が聞こえていました。
こちらの前にある勝ちダルマの授与所でミニダルマのおみくじが引けます。
⑬鐘つき堂
鐘つき堂です。
この鐘は誰でも自由につける厄除けの鐘だったそうですが、現在は禁止になっていました。
恐らくコロナ禍で、制限したのだろうと思います。
こちらにもミニダルマさんたち、大量です……!
⑭不動堂
不動明王を祀っているお堂です。
不動明王は左手に縄、右手に剣を持って火災を背にして座っており、密教では大日如来の化現だと言われています。
善から悪まで人のなすことはすべて一通り肯定し、その上で全ての人を救おうという密教の教義が由来だそうです。
お顔は怒ってらっしゃるのですが、これは衆生を脅しつつ怒りつつも、安寧に導こうとするからであるとか。
しっかりお参りいたしました!
⑮多宝塔
大日如来像を祀っています。
入山の入り口から階段を上がってくると視界に入ってくる豪華な建物で、大層目立っておりました。
⑯弁天堂
弁天堂です。
勝尾寺の弁財天さまは知恵を与えて学問や芸能、音楽の才能を開花させる神様として、古くから信仰されています。
⑯知恵の環
本堂・諸堂をお参りしたあとは、知恵の環を歩きましょう。
①入口からゆっくりと右回りに7周する。
②7周目で中心点まで歩いたら、中心点から逆回りにまた7周して入口まで戻る。
③時間があれば周囲の石の上で瞑想する。
心が穏やか、そして晴れやかになり、力やよい知恵が湧き出るとされています。
ちなみに実践してみた私は、目が回りました…(;'∀')
あんまり近くを見て歩くのはやめた方がいいかもしれません。
⑰鯉の餌やり場
弁天堂は弁天池に浮かぶ島のようになっているのですが、その池には鯉がたくさんいます。
鯉の餌場が用意されているので、餌やりもできますよ。
私は餌を持っていなかったのですが、口あけて寄ってきましたね……。
なんか、ごめんね。
*ミニ達磨は持ち帰り・設置が自由!
では、境内のあちこちにいて、さまざまなお顔を見せてくれたミニダルマさんたちをご覧ください。
買ったおみくじがミニダルマさんなのですよね、下に六十四卦おみくじが入っています。
この子たちは、どこに置いても良いそうです。
ほんと、どうやって置いたの!?という場所にもありましたし、完全に遊んでますよねって置かれ方をしているダルマさんたちもいましたよ。
写真でどうぞ。
六十四卦おみくじについて
勝尾寺で経験できるダルマおみくじは、「易」を基盤とし、大自然の営みを言語化した特殊な占いであるため、通常のおみくじのような「大吉・吉・小吉・凶」といった表記は一切使われません。
その代わりに、通常のおみくじの種類の約10倍もの「易経」を基とした占いの言葉がつづられています。
ここで勝尾寺の「勝つ」について少々説明しておきましょう。
勝尾寺は「人生のあらゆる場面で勝つ寺」ですが、ここでいうのは他人を打ち負かすことで得る表面的な勝利ではなく、あらゆる個人にとって最も手ごわいうえに最大の敵である「己の弱気こころ」に打ち勝つことを示します。
ダルマみくじは、あくまでもその手助けとなるものなのですね。
そのため、おみくじを購入前に、まずは「〇〇について知りたい、占いたい」といった具体的な内容をひとつ絞ることが大切です。
また、対象となる事柄が多ければ何度みくじを引いても構いませんが、ひとつの事柄について易占は一度のみです。
同じ内容について二回以上引いた場合は、意味を持ちません。
六十四分の一の「卦」はあなたが引き寄せたお導きの言葉。
その意味は、自分で読み解く必要があるのです。
参考:勝尾寺易占 六十四卦ダルマみくじ「49番」
https://katsuo-ji-temple.or.jp/worship/omikuji/49.html
私は先にそのやり方を知らずにおみくじを購入してしまったのですが、まあ、恐らく「仕事」に関することだろうなあと思っています(;'∀')
皆さんもぜひ、厄除けと、人生のあらゆる場面で自分の弱い心の勝つことを目指して、お参りしてみてくださいね。
(写真はすべて著者撮影)
*勝尾寺詳細
・住所:大阪府箕面市勝尾寺
・アクセス:阪急箕面駅タクシーで約20分 / 阪急箕面駅から箕面周遊バスで約30分 北大阪急行千里中央駅からタクシーで約20分
・営業時間:平日、日曜祝日は8:00~17:00(最終受付16:30) / 土曜日は8:00~18:00(最終受付17:30)
・入山料:大人500円 / 小・中学生400円 / 未就学児100円 / 2歳以下無料
・休業日:なし
・駐車場:あり 第一・第二駐車場 料金:1時間まで500円、以降30分毎に200円
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